花無心招蝶 花は無心にして蝶を招き
蝶無心尋花 蝶は無心にして花を尋ぬ
花開時蝶来 花開くとき蝶来たり
蝶来時花開 蝶来たるとき花開く
吾亦不知人 吾また人を知らず
人亦不知吾 人また吾を知らず
不知従帝則 知らず 帝の則に従う
次の画像は別の漢詩ですが、胡蝶の字が見えます。
初夏四月、ひらりと僧衣を着て出かけた。岸辺には柳が色濃く茂り、向こう岸には桃やスモモの花が風に飛んでいる。道すがら野の草を摘んで、飾り気のない家を訪ねてみる。蝶は南向きの庭に飛びまわり、菜の花は東側の垣根を遶るように咲いている。私の気持ちはゆったりとしていて、昼の日は長く、この土地は田舎で自ずから珍しい趣を示している。私は生まれつき風流を好むため、句を拾い集めると自然に詩が出来あがった。