私の蝶書(49) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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さらに童謡「蝶」の原典を探ってみますと・・・

江戸の百科辞典『倭訓栞』の「てふ」の項に、蝶が日本各地において呼び名が異なることを挙げた上で、『天寶遺事』の「てふてふとまれ、菜の花にとまれ、なれもとまらば、我もとまらん」という童謡が流布したという記事をひき、「粉蝶を放ちて、その止る所に随て幸なるは唐明皇の故事なり」として、その歌は古意を得ている。

とありますので、このあたりが原典ではないかと思われます。

さて「童謡」は「わざうた」と呼ばれ、自然発生的に子どもたちの間

で広まる歌謡は時代の禍福を予言する「謡諺(ようげん)」の一種

として恐れられたようです。

蝶は東アジアではタブー視されてきたという背景もあり、蝶に関する

童謡の流行は特別視されてきました。そのことを知っていたであろう

「倭訓栞」の編著者は中国の故事にあてはめて、政権の持続を願う

めでたい歌であると解釈したようです。

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画像は本文に関係ありませんが、「きんぎょそう」の

マダムバタフライという品種です。