私は東京の武蔵野美大に通っていたのですが、その頃
「吊革」に関してカルチャーショックを受けたことがあります。
それは地下鉄の「吊革」です。と言うより「吊手」が金属で
しかもバネ式だったのです。真っ赤な車体そしてバネの
吊手にはとても驚かされたものです。そこで、その「吊手」
について調べてみました。
昭和50年代あたりまで営団地下鉄(現東京メトロ)の車両(昭和41年製の東西線5000系2次車までの車両)に装備されていた吊手です。バネが内蔵されていて手を離すと自動的に定位置に戻る構造になっています。昭和2年、旧東京地下鉄道1000形製造時に米国リコ社から輸入されたのでリコ式と呼ばれています。取っ手の部分が水滴の形をしているのが特徴で、東京メトロ東西線葛西の地下鉄博物館に、このリコ式吊手を装備した車両、東京地下鉄道1000形1001号が展示されています。