今から10年近く前、はじめての沖縄旅行。パックされていたシュノーケリングを体験した。ボートで沖に出て、「まぼろしの島」とかいう浅瀬を中心に青い海の底をのぞいた。餌付けされた熱帯魚たちの群れにかこまれて、その美しさにはまってしまった。帰りの舟の中で食べた冷そーめんも抜群にうまかった。もっと深く長く海にもぐりたい・・・しかし、まだ小学生の子どもたちには体験ダイビングすら許可がもらえず・・・それならばと、知り合いを通じて家族全員でライセンスを取得することにした。和歌山のダイビング・プールで講習を受け、スウェットスーツなどもそろえた。この美しさを記録するために、水中でのビデオ撮影のための防水パッケージも用意して、再び沖縄へ。地元の方も経験したことがないほどの美しい海が待っていた。30mほどが透けて見える。海底から空を見上げると、スキューバの白い泡が立ち上る中、眩い太陽の光が揺らめく。海底の白い砂の道に沿って海流に身を任せてゆっくりと漂う。舟から釣糸をたらすと魚の大群が押し寄せてくるのが見える。帰ってから、海底で見た様々な熱帯魚たちを図鑑で調べる。適度な疲れと日焼けした肌が心地よく、今夜は良い夢が見れるに違いないと、そう思う。以来、夏が近づくと沖縄の青い海が恋しくなる。