螺旋物語(56) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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《propeller(プロペラ)とpulse(脈拍)》
propeller は pro(前に)と“pellere”(押す)に分解できます。プロペラは飛行機に付いたくるくる回転する羽根のことで、「前に押す」という働きがあるものです。pulse は “pellere” の過去分詞形 pulsum に似ています。pulse は「心臓が血液を押し出す」というイメージです。フランス語で「押す」という意味で頻繁に使われているのは pousser という単語です。英語では push がよく使われます。これはフランス語の pousser が語源です。“pellere”とはそれぞれ異なる単語が英語やフランス語に使われています。英語の push はフランス語の pousser が語源ですが、フランス語の pousser はさらにラテン語の pulsare(打つ)が語源となっています。pulsare は “pellere” から派生しているようなので、push も “pellere” の遠い親戚だと考えられます。
《ノーチラス号》
1866年、その怪物は大海原に姿をみせた。長い紡錘形の、ときどきリン光を発する。クジラより大きくて速い怪物であった。それは、次々と海難事故を引き起こしていく、パリ科学博物館のアロナックス教授は、原因究明のため太平洋に向かったが彼を待ちうけていたのは、ネモ船長が指揮する潜水艦ノーチラス号だった。海底の森・サンゴの王国・海底トンネル・幻の大陸・大ダコとの死闘。ノーチラス号の行く先々で展開される海底の驚異と神秘に満ちた大冒険。Jules Verne(1828-1905)ジュール・ヴェルヌのSF小説『海底二万里』に登場する潜水艦。ノーチラスはオウム貝の意
長さは70メートル、幅は8メートル。海水から電気を作ることで、長時間海底を航行できる潜水艦。電気を動力源として時速80キロほどで突き進みます。また、2万メートルの深さに潜ることができるというすごい能力を持っています。ノーチラス号の最大の武器は、硬くとがった船首で、これで敵艦にぶち当たり敵艦を沈めます。また、船内には図書室があり、美術品や装飾品などで飾られており、贅をこらしたものとなっています。このノーチラス号で、沈んだアトランティス大陸を見つけたり、南極点に航海したりと様々な冒険をします。もちろん、宿敵イギリス海軍との戦闘も頻繁に行われますが、無敵のノーチラス号にイギリスの軍艦はくもなく撃沈させられてしまいます。情け容赦なくイギリス海軍をやっつけるノーチラス号の船長ネモは、実はイギリス軍に家族を殺されたインドの王子だったのです。
海の王者として君臨したノーチラス号ですが、1954年に進水したアメリカ(世界)初の原子力潜水艦にも「ノーチラス号」という名前が付けられました。原子力潜水艦ノーチラス号が進水したのと同じ年に、ディズニーは映画「海底二万マイル」を公開しています。映画に登場したノーチラス号は、先端部分がギザギザになっており、まるで龍のようです
『ノーチラス』号の名称は、ロバート・フルトンという発明家が1800年(ナポレオン皇帝時代)にフランスで開発した潜水艇『ノーチラス』号から取ったものだとも言われています。人類最初の潜水艦で、風力で進むとっても不思議な潜水艇でした。1885年にイギリスでキャンベル,アッシュが設計・建造した潜水艇など、潜水艦の歴史の中でも記念すべき艦に、この名が付けられてきました。1931年には、オーストラリアの極地探検家H.ウィルキンスが、アメリカから借り受けた潜水艦にベルヌの小説にちなんで「ノーチラス号」と名付けて極洋の潜航を試みています。