『ゾウの時間 ネズミの時間』
途中のページに、
なぜかこんな文章が書かれた紙が
貼られていた。
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●●さま
おふろの水
すててから
寝て下さい。
20回
●●より
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女性から男性に向けて書かれた伝言。
筆ペンで書かれたような筆跡だが、
「20回」だけなぜか鉛筆書きである。
「もう20回目ですよ!!」
ということを伝えたかったのだろうか。
古本を読んでいると、
ときどきこうした
「前に読んでいた人の生活の痕跡」
に出会ってしまうことがある。
だがぼくが知りたかったのは
「ゾウの時間 ネズミの時間」であって、
「前に読んでた人の時間」ではない。
にもかかわらず、
●●さんがちゃんと
おふろの水をすててから寝たのかが
ついつい気になってしまう。
21回目の伝言がなかったことを願いたい。

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