ふだんお世話になっている
寺子屋で知り合った方が、
「時間論を書かれている
小説家の本がありますよ」
と貸してくれた一冊。
とっても面白くて、
一気に読み切ってしまった。
著者の保坂さんは小説家だが、
書かれている内容は哲学そのもの。
それも単に論理を重ねるのではなく、
「論理的ではない自分の心の動きを解明する」
かのような思考が展開されている。
中でもぼくが気に入っているのは、
「プー太郎が好きだ!」の章(笑)
「規則正しく労働することに
本質的に向いていない人が、
世の中には必ずいるものなのだ」
なんと力強い言葉だろうか!(笑)
彼は親しいプー太郎友達らに
嫌われたくないと言うが、
その気持ちにもとっても共感する。
それはぼく自身が半分以上
プー太郎だからなのだが(笑)
「自分が人間として大切にされていると
感じることができていないから
自分以外の人間を大切にすることができない」
「「人間」というのはトータルな存在であって、
分解されてしまったらもう「人間」ではない。
症例というのは人間を分解した観点だ」
といった彼の人間観は、
近代社会が犠牲にしてきたものを、
近代社会が生み出してきた闇を
浮き彫りにする。
保坂さんの展開する時間論も
とっても面白い。
「時間について考えるには、
混乱や不明確さを敢えて許容するタイプの方が
有効なのではないか」
という保坂さんの考え方にぼくも同意する。
ぼくもまだ観れていないのだが、
保坂さんのトークライブの動画もあるみたいで、
関心のある方はぜひ観てみてはどうだろうか。

にほんブログ村