
大石芳野 写真展
「戦争は終わっても終わらない」
を見に行ってきた。
戦争というのは、
人間を数字のようなものとして扱い、
抽象化することによってはじめて
成立するのではないか。
戦争は、
大切な友人の「山田太郎さん」を、
かけがえのない恋人の「山田花子さん」を、
「1」あるいは「1/100000000」
にすぎない存在として認識させることで、
人間の価値を貶める。
兵士1人の死は、
あるいは市民1人の死は、
かけがえのない「山田太郎さん」の死ではなく、
「1/100000000」の喪失にすぎない。
それが戦争である。
この写真展はそれに反して、
一人ひとりの人間とその人生を描き、
その一人の「人間」と
戦争との関係を描くことで、
戦争の悲劇を浮き彫りにしている。
こうした視点で見たとき、
「一億総活躍」という言葉の、
なんとおぞましいことか。
そこには「人間」へのまなざしはない。
人間を抽象化した
「数字」があるだけである。
かの戦争の悲劇はいまだ終わらず、
そしてその「戦争」はもしかすると、
形を変えていまも続いているのではないか。
「戦争は終わっても終わらない」
というタイトルの、
もうひとつの意味を
想像せずにはいられなかった。
---------------------------
大石芳野 写真展
「戦争は終わっても終わらない」
戦火を生きた人々は語りかける。
長崎・広島・東京大空襲・沖縄・国境の外。
【日時】
11月6日(金)~14日(土)
10:00~18:30
(入場18:00 & 最終日13:00 まで)
【場所】
立教大学池袋キャンパス チャペル会館
※入場無料
---------------------------

にほんブログ村