北海道美唄市にある、
「茶志内(ちゃしない)」。
女性の前でこの地名を言っただけで
ナンパだと思われてしまう、
とても困った地名だ。
きっとこのあたりは
いにしえの時代から、
ナンパのメッカだったのだろう。
「ちゃしない?」「ちゃしない?」
という声がとぎれることなく聞こえたことから、
当て字を使って「茶志内(ちゃしない)」
と名づけられたと思われる。
ところが驚くことに、
別の説を唱える人もいる。
それはアイヌ語の
「チャシ・ナイ(砦・川)」
が由来だというものだ。
しかしながら、
「周囲に砦があった痕跡は無い」
という(ウィキペディアより)。
そうであればやはり
「ナンパのメッカ説」
を採るのが妥当であろう。
……いや、
ちょっと待ってほしい。
さすがにそれはあまりに
安易すぎる推測なのではないか。
というのも、
ぼくはこれまで「ちゃしない」という言葉を、
「誘う方」が使う言葉だと勝手に思い込んでいた。
しかしそうではなく、
「誘われた方」
が使った言葉だとしたら。
「ちゃしない?」と誘われた女性が、
「ちゃしない!」と断固として
断った言葉だったとしたら。
そしてこっちの方が、
地名の由来になのだとしたら。
とんでもなく硬派な地名ではいか。
「ちゃしない?」ではなく、
「ちゃしない!」。
日本一軟派だと思っていた地名は、
実は日本一硬派な地名であった。

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