月9の「デート」 | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」
月9のドラマ「デート」が面白い。

最初は全く期待していなかったが、
これは久々のヒットである。

「高等遊民」を自称する主人公に
感情移入してしまっていることは
恥ずかしながら否定できないが(笑)、
とにかく飽きさせない展開は見事である。

なによりこのドラマ、
ノリは一見軽いのだが、
しっかり人間を描いている。

昨今、いかにもドラマチックな
ストーリーを展開させながら、
「そこに人間がいない」
というドラマはたくさんある。

そんな中で、
このドラマの脚本と
そのバランス感覚は絶妙だし、
演じる役者もとてもよい。

ちなみに脚本と監督は、
堺雅人が主演をつとめた
「リーガルハイ」のコンビだそう。

「リーガルハイ」では、
法廷での対決を通じて、
世の中の「常識」と思われている価値観に
一石を投じるようなセリフが
随所にちりばめられていた。

その指向性はしっかり
「デート」にも引き継がれている。

「~恋とはどんなものかしら~」

という甘めなサブタイトルに反し、
既存の「恋愛観」や「結婚観」を
根底からひっくり返しそうな勢いだ。

あと、ニートの主人公が
「実はこんなにスゴイ奴」
として描かれるのではなく、
「実際のところ本当にダメ」なのもよい
(もちろん本当にダメなのではない)。

さて、「高等遊民」は
今年の流行語大賞に入れるか。

ちょっと難しいかもしれないが、
ここからさらに展開して、
「下等遊民」という言葉が
発生するくらいになってくれば、
大賞受賞も見えてくるだろう。


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