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どこまでも地に足のついた、
実践ありきの内容だけに、非常に説得力があり、
著者の「本当に役立つものにしたい」
という想いが伝わってくる。
多くの事例が紹介されており、
読み物としても面白いが、
福祉の学校の教科書などにも最適なのではないか。
読み手の関心に応じて、
いくらでも知恵や示唆を引き出せる、
まさに「実践のための書」という感じである。
「死」をどうとらえるかは、
「生の時間」のとらえ方に直結している。
多くの人が、未だ存在しない不確実な「未来」に心を奪われ、
「現在」を生きることができなくなってしまっていること。
これが近代以降の人間の病理の根源にあるように思う。
このことは、人々の死生観の変化とも大いに関わっている。
「1950年代は8割の死は自宅での死」であったという事実は、
現状を相対化するために非常に重要なことだろう。