代々木公園の木に、
ニホンミツバチが巣をつくっていたのだ。


「ニホンミツバチの巣は
とてもめずらしいので、
大切に見守ってあげてください」
といった内容の紙が、木に張られていた。
へぇ~と思って見てみると、
ニホンミツバチの群れの周りを、
大きなスズメバチが飛んで、
ちょっかいをだしていた。
大丈夫かなぁと思って見ていると、
ニホンミツバチは面白い方法で対抗していた。
スズメバチが近づいてくると、
ニホンミツバチの群れが羽根と体を
みんな一斉に震わせて威嚇するのである。
どうやってタイミングを
合わせているのか分からないが、
ロシアのシンクロナイズドスイミング並みの、
見事なまでの規律である。
群れが全く同じ動きをするので、
まるで全体がひとつの大きな生き物のようである。
まさにそれがニホンミツバチの狙いなのかもしれない。
しかも聞いた話では、ニホンミツバチには
スズメバチを集団で囲んで体温を上昇させ、
その熱で殺してしまうという必殺技もあるという。
個体ではなく集団で勝負するところに
なんとなく親近感を抱いてしまうのは、
僕がニホン人だからだろうか?
この戦いは長引きそうだったので
僕は一足先に引き上げたが、
代々木公園の散歩にまたひとつ楽しみが増えた。
がんばれニホンミツバチ!!