
11月6日の日曜日。
ライフリンク主催イベント、
「メメント・モリ ~悩める30代、悩めぬ30代。~」
を北千住まで見にいった。
平野啓一郎さん(作家)、
江川紹子さん(ジャーナリスト)、
清水康之(ライフリンク代表)、
この三人の対談がメイン。
30代の自殺についての話だったが、
特に平野さんの話がおもしろかったので、
ぼくが気になった部分を書いてみます。
---------------------------
(自殺報道や番組について)
テレビのメッセージは一本調子。
30代の多様性をどうすくいとっていくのか。
(就職すらむずかしい現状で)
働きすぎないと、他のひとに申し訳ない気持ちになる。
アイデンティティを
「好きな仕事をすること」に置きすぎ。
家族や友人とすごす時間などに
それらを分散してリスクヘッジしたい。
この世界か、自分自身か、
どちらかが好きなら生きていける気がする。
自分の中には「○○さんといるときの自分」という、
複数の自分がいて、それをぼくは「分人」と呼んでいる。
それは意図的にそういうキャラを演じているわけではなく、
相手の影響を受けて、自然にそういう自分が生じてくる。
自分のことを好きになるのはけっこうむずかしいが、
「誰々と一緒にいるときの自分」を好きになれれば、
そこを礎にして生きていける。
他者の存在を前提にしているから、ナルシズムにならない。
愛とは、相手のことを好きになるということではなく、
「その人のおかげで、自分のことを好きでいられる」
ということではないか。
「あなたのことが好き」と言われるより、
「あなたといるときの自分が好き」
と言ってもらえる方がうれしいんじゃないか。
相手を経由して、自分を好きになる。
どういう人とつきあっていくのかが大事。
自己肯定できる相手とつきあって、
余裕ができればその他の人ともつきあえるのでは。
好きなことより、得意なことを仕事にした方がいい。
好きなことでうまくいかないと、好きなこともイヤになる。
ほめられてると、それも好きになる。
---------------------------
…いやぁ、芥川賞はダテじゃないなぁ。
「肯定」はぼくにとっても大きなテーマやけど、
とっても共感しました。