0~3歳は、
❤︎自分の体を、思いきり動かす
「立つ、歩く、つかむ、つまむ、ひっぱる、つく、はめる、通す」など、
それぞれの運動自体を身につけることに一生懸命になり、その動きができることに喜びを感じます。
3〜6歳は、
❤︎単体の運動を、組み合わせて、使いこなす
体の動きを、日常の生活に活かす段階に入ってきます。この時期は、身のまわりのことができることに、喜びを感じるようになります。
日常生活の練習を繰り返すことで、小学校に上がるころには、身のまわりの日常生活のほとんどを、人の力を借りずに、自分でできるようになります。
"自分の人生の主人公になる"に向かっていくのです。
❤︎子どもの変化に合わせて、親の"見守り方"を変えていく必要がある
わが子が何でも自分で決めて人生の主人公として生きていくのか、
親に何でもしてもらわなければできない、言われた通りにしか行動できない"指示待ち"の人生を生きていくのか、
それが3歳〜6歳の3年間の親の"見守り方"で決まってしまうのです。
❤︎日常生活の練習には、
❶運動を調整できるようになる
❷自分自身に配慮ができるようになる
❸まわりの環境への配慮ができるようになる
❹気品と礼儀を身につけるようになる
この、4つの練習があります。
❤︎運動を調整できるようになる
3歳までは力まかせに走り回ることで、自分の体が動くこと自体に喜びを覚えていました。
3歳をすぎると、その動きを調整する段階に入ってきます。
ハサミで切る、のりで貼るなど、様々な道具を使うようになってきます。
それらを、思い通りに使いこなすためには、"力加減の調整”が必要になります。
これが、自分の力と心を調節する"自律"の始まりです。
このような活動を、集中し、繰り返すことで、どんどん上手くなっていきます。
そして、動きが洗練されていくことに喜びを覚えていきます。
このように、子どもの活動が複雑になり、レベルが上がっていくのですから、親の見守り方が大事になります。
❤︎そのカギとなる親の"観察力"
よく観察していると、子どもが行き詰まっている部分も見えてきます。
観察していくうちに、どう援助すれば、その問題を子どもが自分の力で解決していけるかが見えてきます。
日々の生活の中で、手を出し、口を出してしまう前に、子どもを観察してみようと決めるだけで、子どもの本当の"今"が見えてきます。
❤︎自分自身に配慮ができるようになる
身のまわりのことを自分でできること、つまり自分自身への配慮ができるようになります。
自分のことが自分でできるようになって初めて、自分以外のものや人に目が向いていくのです。
たとえば、子どもがボタンがはめられないことが原因で行き詰まっていたら、
はめやすい大きなボタンでゆっくりとやり方を見せてから、ボタンをはめる練習をします。
このように、難しい活動を部分的に取り出して、ゆっくりその活動だけを繰り返すことで、自分一人でできるように援助していくのです。
「一人でできるように手伝う」、この言葉を心に刻んで見守ってほしいと思います。
❤︎まわりの環境への配慮ができるようになる
自分自身に配慮ができるようになって初めて、「世の中は自分だけではないんだ」と気づくようになります。
これが4歳くらいです。
それまでの子どもたちは自己中心的で当たり前だと心得ましょう。
まわりの環境に配慮するとは、たとえば、
1. 動物、植物のお世話をする
2. 食事の準備をする、片づけをする
3. 掃除を手伝う……
世の中には自分以外にも人や生物がいることを知り、その環境に自分が働きかけ、その環境に自分が変化をもたらすことを経験します。
お手伝いなどで、感謝される。
自分は社会の役に立つことができるんだという"自己有用感"が、将来の自己肯定感の土台になっていきます。
❤︎気品と礼儀を身につける
日常生活の練習を通して、運動が洗練されます。また、自分自身やまわりの環境にも配慮ができるようになっていきます。
そして、
自分が生活するコミュニティのルールを知り、日常生活でのたしなみや礼儀を覚えます。
そして、
自分を適切に表現することから気品は生まれます。
気品と礼儀の入り口は挨拶です。
世界中の国々には、それぞれの挨拶があります。
子どもは生まれた地域の挨拶の言葉を学ぶだけでなく、どんな時に、どのようなタイミングで言えばいいのかを習得します。
私たち大人の所作すべてがお手本になります。
子どもは見て学び、真似をする天才です。
この時期に、適切で気品に満ちた所作を伝えてあげましょう。
また、他人のことを思いやる気持ちの芽生え、社会の道徳を学びます。
公共の場や交通機関でどのようにふるまうのか?どのような時には大きな声を出すべきではないのか?
様々な社会のルールを学んでいきます。
❤︎まとめ
3歳からの子どもは、体の動かし方をコントロールできるようになり、日常生活の練習で成長していきます。
そして、自分のことは、自分できるようになってくると、
まわりの環境への配慮もできるようになります。
その配慮で、親から感謝されると、自分が社会に役立つことを知り、自己有用性を感じます。
また、親の行動を真似し、挨拶ができるようになります。
この3〜6歳が、
自分の人生の主人公になるか、
指示待ちの人生を送るか、
大きな分かれ目です。
親が子どもの成長をしっかりと観察すること"見守り方"が大切ですね。
また、子どもが自分を観察するために、子どもの全身の写る鏡で、自分を見せることも、子どもの成長に役立ちます。