ご褒美はいらない。親と一緒に"楽習(がくしゅう)" | 学びスタジオ®︎ブログ〜教育あれこれ

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小さな個人塾を経営しています。「一緒に学ぶと、可能性が広がる」と考えています。教えるより、考えるように導きます。子どもと一緒に考えると、子どもが能動的に考えるようになります。そして、一緒に考える楽しさと、一人で考え抜く力を身につけていきます。

 

こんにちは、学びスタジオの奥川えつひろです。

勉強したら、ご褒美をあげていませんか
それが、勉強嫌いの原因になるとしたら、怖いですね。

❤︎ご褒美はいらない?

「次のテストで○○点以上とったら○○を買ってあげるよ」
とか、
「毎日1時間以上勉強したら○○に連れていってあげるよ」…

子どもに、“ご褒美” をエサにして、勉強をさせようしたら、

子どもにとって、
その勉強は、何か全く別のものを得るための手段でしかなく、
勉強は作業になってしまいます。

❤︎勉強は、無理にしなくてもいい、無理にしない方がいい

目的のない勉強、作業のようにする勉強は、
時間の無駄遣いです。

その理由を説明します。

人が行動するのに2つの動機づけがあります。

❶外発的動機づけ

外部からの刺激によってやる気が誘因されます。

たとえば、 “ご褒美のために取り組む” ということです。
ご褒美に関心があるだけで、勉強には関心がありません。

関心がないから、面白くありません。

勉強した内容を、ただ覚えるだけです。
学んだことに関心を持ち、それ利用して、日常生活などに応用しようという発想など、思い浮かぶことはありません。

生きた勉強になりません。

さらに、
ご褒美が物足りなくなった途端にやる気をなくしてしまい、

勉強しないのは、ご褒美が少ないせいにします。

❷内発的動機づけ

自分の中にある興味関心や意欲がそのまま行動を生み出します。

「楽しいからやる」
「好きだからやる」ということです。
「勉強っておもしろい!」と子ども自身が感じることです。

この、内発的動機づけが大切です。

❤︎子どもの興味に目を向ける

子どもの興味関心に目を向け、
その延長線上で勉強につながりそうな経験をさせてあげることです。

ただし、
子どもの興味関心とは、なにも勉強に直接関わるものでなくてもいいんです。

たとえば、
ドラえもんなどのマンガのキャラクターに関心があるなら、
ドラえもんの学習マンガなどを家に用意して、

子どもの目の届くところに置くこともいいですね。

❤︎親も子どもの関心ごとを好きになる

大切なことは、
親が子どもをよく見て、
何に関心を持っているかを知ることです。

その子どもの関心ごとに、
親も関心を持ち、好きになってしまうことです。
つまり、子どもの関心に寄り添い、
その関心を広げる案内役をすることです。

❤︎好奇心と感情の相乗効果

子どもは、
自分の関心ごとが、
親も好きなことを感じ取ると、
うれしいという気持ちと相まって、
ますます、その関心ことに興味を持つようになります。

この子どもと関心に親が関わることは、
好奇心と感情の高まりの相乗効果を生み出します。

この相乗効果は、
何よりも強く、そして、楽しい。
これが、好奇心を育てる秘訣です。


❤︎子どもを一人きりで勉強をやらせない

親とおしゃべりしながらでもいいから座って勉強する時間をつくります。

子どもに無理に一人きりで勉強させることは危険です。

一人ぼっちの勉強は、
子どもが勉強を

「ひとりきりでやらないといけないもの」

「つまらなくてつらいもの」

と認識してしまい、

勉強に対する興味や熱意を失ってしまいます。

❤︎リビングで勉強すること

それに、
子どもは、親のそばでお絵描きや宿題をやりたがります。

なぜなら、
親のそばにいることで得られる安心感と、
自分がやっていることを親に見てもらいたいという気持ちによって、

モチベーションが保たれているからです。

❤︎親も一緒に勉強する

子どもが勉強している横で、
親がスマホは避けましょう。

「勉強しよう!」の親の言葉は、
親が一緒に勉強することで、
その言葉の重みが変わってきます。

「子どもと一緒に」という考え方を持つことが大切です。

親と一緒に楽しく育ってきた子ども、
親と一緒に勉強すれば、
「家ではこうやって勉強するのが当たり前なんだ」
「勉強って、苦痛じゃなくて楽しいものなんだ」

と思い、
学習が"楽習"になり、グングン好奇心が育ちます。

❤︎褒美をあげるなら、言葉でほめてあげる

言葉でのほめ方も工夫し、適当にしましょう。

学習が、"楽習"になれば、
ほめられなくても、勉強しますが、

ほめられたら、嬉しいものですし、
親もほめたくなります。

❤︎ほめらる脳の仕組み

勉強をやる気にする脳の線条体は、
"予測的な活動をする"という特徴があり、
子どもが"勉強したらほめられた"という経験を常にしていると、

線条体は「勉強するとほめられるのではないか?」と予測するようになります。
そして、
ほめられるという快感を得るために勉強する
ようになります。

また、
ほめられるという状態が当たり前になると、ほめるうれしさも薄れてきます。

❤︎適度にほめる

だから、ほめることを工夫して、適度にほめてあげましょう。

ほめたりほめなかったり、
子どもが「ほめてほしい」というオーラを出していたら、それに応えてあげましょう。

❤︎まとめ

学習が"楽習"になれば、
学ぶことが、楽しくなります。

そして、楽しく勉強できれば、
細かい部分を読み取る吸収力が身についてきます。

興味があれば、
全てを読解し、吸収しようとしますので、
読解力も育てることは、興味を育てることです。

だから、勉強は無理にさせるのではなく、

勉強が楽しいと思えるように、

親自身が、勉強を好きになることですね。



 

東大阪新聞インタビュー「好奇心を育てる」