YouTubeを"子守がわり"にするのは危険!アナログで自然に育てよう! | 学びスタジオ®︎ブログ〜教育あれこれ

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小さな個人塾を経営しています。「一緒に学ぶと、可能性が広がる」と考えています。教えるより、考えるように導きます。子どもと一緒に考えると、子どもが能動的に考えるようになります。そして、一緒に考える楽しさと、一人で考え抜く力を身につけていきます。

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幼い子どもを持つ多くの親たちにとって、YouTubeは便利な存在です。家事や仕事で手が離せないときや、ちょっとした移動の際もスマホやタブレットを渡しておけば、子どもたちは動画に見ておとなしく過ごしてくれます。
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アメリカのデータですが、
2歳未満の子どもの97%がモバイル機器を操作した経験があり、彼らのお気に入りはYouTubeの子ども向け教育番組だそうです。
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❤️質の高いテレビの教育番組
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子ども向け番組には50年以上の歴史があるセサミストリートのような昔ながらの教育番組は、子供が楽しみながら学びを得られるよう専門家の協力のもと制作されています。
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また、放送倫理によって人種、性差別や政治的、性的に不適切な内容は排除されるなどの規制も受けています。
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質の高い教育番組は、子供の言語習得に役立ちます。
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さらに、就学前の幼児期にこのような教育番組を視聴した子どもは成績がよく、読書量が多い傾向にあります。
また、目標の達成に価値を見出し、創造力も高く、攻撃性が少ない性格であることもわかっています。
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❤刺激を求めるあまり集中力が低下する
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しかし、YouTubeの教育チャンネルのコンテンツには同じ効果は期待できません。
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たとえば、
YouTubeの教育チャンネル「チュチュ」の人気コンテンツ「ジョニー・ジョニー・イエス・パパ」という動画の一場面、
主人公のジョニーが真夜中にキッチンで砂糖をこっそりと食べていると、突然、父親がやってくる。だが、父親は特に息子を叱るでもなく、アップテンポの音楽に合わせて子どもたちが踊って動画は終わる。
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この一見、よく意味がわからない動画がなぜ子どもたちの心をとらえるのでしょうか。
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それは、この動画の特徴の"明るい光、関連性のない前後関係、目まぐるしく変わる場面"にあり、子どもが動画に飽きないよう、次々と場面を変えて刺激を与え続けるからです。
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しかし、
本当に子どもに動画の内容を理解させたいのなら、読み聞かせのようにゆっくりと物語を進めるべきであり、その方が子どもは動画と音楽の関連性や、内容全体を把握しやすいはずです。
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脈絡なく場面が移り変わる動画を視聴し続けると、子どもはそこから何の学びも得られないだけでなく、他の動画を見ても刺激的な要素ばかりを求めるようになります。
その結果、次々と刺激的な動画を求め、集中力を維持することが難しくなってしまいます。
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❤YouTubeは、子どもたちがいかに見たがるかに重点をおいて制作されている
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ではなぜ、YouTubeの子供用コンテンツは、テレビの良質な教育番組とは異なるのでしょうか。
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それは、YouTube動画の制作が、個人の裁量によるところが大きく、明確な規制もないこと、
そして、子どもたちが学ぶがよりも、子どもたちが見たがることに重点が置かれているからです。
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子供たちが動画を見続けられるかが徹底的に研究されていて、たとえば、鮮やかな動画、キャッチーな音楽、可愛いキャラクター。背景では意味もなく鳥が飛んだり、何かが絶え間なく動いたり……
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❤エルサゲートのトラウマ動画の問題
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エルサゲートとは、ディズニーの人気映画『アナと雪の女王』のキャラクター”エルサ”と、政治のスキャンダルなどを示す接尾語”gate”からできた言葉です。
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子どもつけの動画と偽って、不適切な表現を含む動画を見せることです。
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実際、YouTubeでミッキー、アンパンマンなど子どもに人気のキャラクター名で検索すると、おかしな動画が表示されることがある。
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一見子ども向けの動画に見えるが、再生すると驚くような内容です。性的だったり、暴力的だったり、子どもに残虐だったりと、不快でトラウマになるようなシーンが満載です。
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❤長時間視聴するしくみ
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YouTubeを、見たいときに見たいものを好きなだけ見ることができます。
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一度YouTube動画を見ると、次々とおすすめ動画や関連動画が表示されます。長時間視聴を促す仕組みがたくさんあります。
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長時間の視聴は、子どもの目に負担がかかり、視力の低下、睡眠不足をもたらします。
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❤️子どもをアナログで自然に育てよう
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世の中は、スマホ・タブレットの時代だからといって、人間の成長がデシダルになるでしょうか。
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人間は便利さや楽を追求して、いろいろな技術が発達しましたが、
人間の誕生の過程は、お母さんのおなかの中で進化の過程をたどって成長します。それと同じように、誕生して、大人に成長する過程においても、アナログで自然に近い状態で、人の手間をかけて、育っていって欲しいと思います。
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「コンピュータが勉強するから、人間は勉強しなくてもいい」という人までいますが、
わたしは、その言葉を聞いてゾーッとします。
子どもの成長の過程では、デジタルを利用するならば、いいものだけを厳選して、あくまでも補助的に使うべきです。
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見ること、読むことが、聞くことが、触れること、臭うこと、味わうこと、そして、考えることを大切に、育てていきたいと思います。