
囲碁を指す人工知能(AI)がトップ棋士を圧倒しました。このような技術的進歩は、今の子ども達が学ぶべきことに何か変化を及ぼすのでしょうか?
私は「学習するプログラム」に興味があり、今回の囲碁や将棋、画像認知や制御を学習するプログラムなどの技術文書によく目を通しています。その度にこの疑問を反芻して得た結論は、
「将来の子ども達がつく職業(正確には職能?)には大きく影響を及ぼすが、今日的にマナビオが大事だと考える≪学ぶこと≫に変化はない。」
です。
今日も生徒が手を使い、足でリズムをとって中国ゴマを回しています。現在、人間にしかできないと思われている多くの作業、例えば建築家が建物を設計したり、作曲家が音楽を作ったり、医師がレントゲンを見て診断を下したりする作業の一部をアルゴリズムが処理する時代が到来しても、人間が体験と体験を繋げ、選択をすることで思いもよらないものを生み出すことがあるはずです。子ども達が自らの身体感覚と共に知恵を高め、豊かな知識を基に技術を学ぶのは、そんな人間的創造性を得るためなのです。