ただの感想じゃない! | 亀岡、子どもたちの論理力、読解力、表現力、英語力、コミュニケーション力を鍛える「まなびプロジェクト」

アウラ学びの森では、毎週金曜日に小学生を対象とした「読書表現」という講座を展開しています。

ひとつの物語を、大人や高校生、小学生という多様な層のメンバーと一緒に読み込む、ワークショップ型の授業です。

物語の中から根拠を探し、自分の意見を述べるための、論理的な思考力を養うことを目指しています。






ついに!ついに!!
小川未明の『赤いろうそくと人魚』という物語を読み終えましたー!!!
長かった…。そして難しかった…。笑







結局たくさん出てきた謎をすべて解決することはできませんでしたが
ある程度みんなで納得のいく答えが作れたと思います。







そして、この物語の「心」
つまり、この物語で自分が1番大切だと考えたことについて話し合いました。








物語のどの部分から、どんなことを読み取ったのかを論理的に述べて
ペアになった相手と、意見を交換します。



~がおもしろかったです。
~なところが好きです。



そんなありきたりな感想ではありません。
今まで、自分だけでなくいろんな人と物語を読み込んできて、その分多くの意見に触れてきたうえで、最終的に自分が大切だと思ったことを論理的に述べるんです。
また、それゆえになかなか言葉にするのも難しくなります。








今回私がペアになったA君との話し合いでは



A:てかさ、また謎が出てきてんけど。謎っていうか疑問。

私:もー、この段階でやめてや笑

A:だってな、これ絶対おかしいで?この物語ってバッドエンドやん?なんでバッドエンドじゃないとあかんかったんやろう?人魚からしたら娘を取り返したわけやからさ、ハッピーエンドやん?




確かに!!!!
この物語は人間目線で書かれているため、バッドエンドですが…人魚目線で考えたらハッピーなのかもしれません。
でも、私もこれで引き下がる性分ではありません。



私:でもさ、ホンマにハッピーかな?

A:え?ハッピーやろ。だって一緒に暮らせたかもしれんのやから。

私:でも娘は母親に勝手に捨てられるし、おじいさんとおばあさんには売り飛ばされるし、ほんで今更母親が「ごめんね、あのときは。さぁ一緒に暮らしましょう?」って言ってきてもさ。A君やったらなんて答える?

A:えー、そりゃ「ふざけんじゃねぇ!」って言うわ笑

私:せやろ?んじゃあ、娘にとってはハッピーじゃないやん

A:うーん…そうやなぁ…でもじゃあなんで人間目線でしか物語は書かれてないんやろう?

私:うーん…ちょっとそこ俺も考えるし、A君も考えてみて

A:おっけー




このあとうなりながら2人で考えたのですが…
まぁそんな簡単に答え出ないんですよねー







でもなんとかこの時の会話から、私達なりの物語の「心」は

─幸せか不幸か、善か悪かの判断は、その個人の中でしかできないものである

としました。その理由は先ほどの2人のやりとりです。







もちろん他のペアからも違った意見が出てきて、また再度考え直すことになりました。
でもこうして、小学生と大人が対等に話し合って・・・
というか、小学生ですよ!?私とやり取りしてたの!?びっくりぽんでしょ!?







…少し取り乱してしましましたが、そういう場なんです。
大人も生徒も真剣勝負。みんなワクワクしながら学習しています。







今回は他のペアが、物語の「心」をどんな風に捉えたのかを動画にしましたので、こちらもご覧ください。




次回からはみんなで物語を作ります!!
どんな物語になるのでしょうか?
乞うご期待!!