小学生の高学年を対象とした「読解国語」の授業がありました。
現在、小川未明という作家の『金の輪』という作品をみんなで読み込んでいます。
でも、この前の記事でも紹介したように
この『金の輪』には、謎がたくさんあります。ありすぎます。
なので、私も講師の櫻井先生も、その謎に対する答えを持っていません。
さて、どうしたものか…。
生徒たちは「教えてー!」と言いますが、わからないものは教えることができません。
みんなで一緒に考えて、納得のいく答えを作り出さなければなりません。
では、いったいどんなところが謎なのか?
ふだんはみんなで読み進めていく中で、思いついた謎を発言してもらうんですが
今回はそこでちょっとひと工夫してみました。
それは
─生徒に先生になってもらい、問題を作ってもらう
というものです。
櫻井先生が
「みんなが先生やったら、授業でどんな問題出す?今日はみんなが先生やし、考えてや!」
と言うと、生徒たちの表情がぱっと明るくなりました。
これ気にならへん?
俺はこれが謎やな…
これ絶対おかしいって!
よし、これを問題にしよ!
ペアになっていろんな問題を考えている様子を見ていると、みんな本当に楽しそうでした。
下の動画からもその様子をご覧ください。
きっと、普段は問題を「出される」側なのに、今回は問題を「出す」側になるのが楽しいんだと思います。
ままごとも、これと同様の原理で「食べさせられる」側から「食べさせる」側になるというところに大きな意味があると、どこかの本にも書いていました。
そして、自分たちが問題を考えるということは
「問いを立てる」という意識で物語を読むことにもつながります。
これは、大学や大学院で論文を読んだり、実際に自分が書く際にも必要な力であると同時に
生きていく上で、「これってどういうことやろう?」「何が問題なんだろう?」と考え、それに自分なりの答えを作り出していくという、本質的な力でもあると思います。
授業では、それぞれの先生たちから出された問題に対して
それぞれの先生たちで答えを考えました。
次回、その様子をお届けできたらと思います。
みんなどんな答えになったんでしょう?
私も考えないと…。