アウラ学びの森では、毎週金曜日に小学生を対象とした「読書表現」という授業をおこなっています。
前回までは、新美南吉さんの『王様と靴屋』をみんなで読んでいましたが、今回から新しい物語に突入しました。
その物語とは…
小川未明さんの『赤いろうそくと人魚』です。
物語が少し長いので、今回は前半部分だけをみんなで読みました。
そして、今回もまた小学生の感性の鋭さに感動しました。
正直、尊敬してやみません。
この物語はこんな一文から始まります。
人魚は、南の方の海にばかり棲んでいるのではありません。北の海にも棲んでいたのであります。
この文章を声に出して読んだとき、私はある疑問が浮かびました。
それは、なんで棲んでい「た」なのか?もう北の海に人魚はいないのか?ということです。
その疑問を投げかけてみると、みんなも確かにそれは疑問だ!と言って一緒に考えることになりました。
しかし、ある男の子が…
「でも、棲んでい「た」ってことは、今まで見つかってなかったけど発見されたってことちゃうん?新発見!みたいな」
と言ったのです。
確かに!!!!!
私の読みでは、この「た」は過去の意味を持った「た」であるとばかり考えていましたが、その子の言うように、この「た」には完了の意味も持っています。
古文では、この過去と完了の違いは明確に区別されていますよね。
でも現代文ではそうではない。
前後の文脈から、過去を表しているのか、完了を表しているのか、その微妙なニュアンスを読み解かなくてはなりません。
そのことを、小学校5年生の男の子は知りませんが、感覚で捉えていたのです。
脱帽です…笑
その後も一つひとつの細かな表現を押さえながら、疑問をだし、それについてみんなで考えて物語を読み込んでいきました。
そんなこんなで、今回もたくさん学ばせてもらえた楽しい授業でした!
