※ネタバレしてます!!
※簡易レポのため、選択肢を省く場合もあります!!
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郁里「や、嫌・・・・・」
史文恭の手が、郁里の体に触れる。
郁里「い・・・・・やっ!やめて・・・・・!」
呉用「郁里!」
史文恭「晁蓋も失い、せっかくの天女も奪われるなんて・・・クックックッ、不憫だねぇ、呉用せぇんせ」
呉用「・・・・・!」
呉用がグッと拳に力を込めた。
呉用「郁里!力を使え!」
史文恭「おっと、動かないでねぇ。女の細腕で僕から逃げられるなんて・・・思わないほうが身のためだよ」
郁里の体を抱える腕に力がこもった。
でも、郁里には分かっていた。
呉用の意図することが。
呉用「さあ!解き放て!私はもう願わぬ!君にこの世界にいてほしいなど・・・・・っ!だから、力を使って、帰れっ・・・・・!」
郁里「嘘よ、呉用さん・・・・・そんな心にもないこと・・・」
呉用「本心だ。君を奪われるのは・・・何よりの屈辱だ!!!!」
すごい形相で、呉用が怒鳴った。
郁里「それでも・・・帰れないっ!」
弱々しく、首を振る郁里。
呉用「君が消えたとしても!私はまた、以前の世界で生きるだけだ!」
呉用の言葉に、涙が郁里の頬を伝った。
無理をして言っているのがわかっていても、心が痛かった。
史文恭「何、何ぃ~、僕も混ぜてくれないかなぁ!無視されんのが・・・一番嫌いなんだヨォっ!」
二人のやり取りに、史文恭が怒りの声を上げた。
でも、その時・・・。
史文恭「ぐぁっ・・・・・」
ふいに、史文恭の体が傾いた。
史文恭「ぐっ・・・うぁ・・・・・っ!!!」
どさっと倒れる史文恭。
同時に、郁里の体が解放された。
林冲「曾家の豪傑が、油断しすぎだよ」
そこには、林冲たち・・・梁山泊の仲間たちがいた。
戴宗「かぁ~っ、子猫ちゃんに最初に目ェつけたのは俺だってのに、なんでこうも競争率高いかねぇ」
李俊「しっかし、分かんねえなぁ。天下の武術師範と名高かったあの史文恭が、お嬢ちゃんを人質にとってからの油断っぷり・・・・・」
林冲「これも天女の力、かな」
周りにいるのは、梁山泊の兵士たちばかりだった。
郁里「もう・・・危険はないんですか?」
林冲「ああ」
郁里「史文恭は・・・」
林冲「仇は討った」
郁里「そ・・・う・・・」
緊張が解けると同時に、郁里の体の力も抜けていく。
林冲「・・・・・っと」
林冲が手を差し伸べた。
だが郁里の体を支えたのは、呉用だった。
呉用「大丈夫か、郁里」
李俊「なんだ、つまんねぇな。抱きつくくらいはしとけよ、林冲」
林冲「呉用さんに恨まれることはしたくないなぁ」
呉用「全く、君たちは・・・」
呆れながら、呉用が郁里の体をひょいと抱き上げた。
郁里「呉用さん!?大丈夫です、自分で歩けます・・・・・!」
呉用「私がこうしたいんだ」
郁里「呉用さん・・・・・」
呉用「君が私のそばにいるということを確かめてもいいか?」
郁里は小さく頷いた。
そっと唇が重ねられる。
★スチル★キスシーン!
呉用「君を失わなくてよかった・・・・・」
李俊「・・・やるねぇ、軍師!」
林冲「大胆だな・・・オレも見習おっと」
まわりでみんながはやし立てる。
郁里「いいんですか?こんなみんなの前で・・・」
呉用「・・・いいんだ。もう、我慢できなかった」
郁里「呉用さんったら・・・・・」
みんなに冷やかされる中、二人は長い口づけを交わした・・・・・。
血と泥で汚れた武将たちから、笑顔がこぼれる。
どうやら、戦いは終わりに近づいているようだ。
しかし、郁里の心はざわついたまま。
呉用の心に、まだ穏やかさが戻っていないからだった。
呉用「まだ、曾家を排除したわけではない!曾五兄弟全てを討ち取り、ようやく勝利となる。追撃を行う、気を引き締めよ!」
李俊「確かに、まだ曾家の本営を落としたわけじゃねぇ。けど・・・よ・・・」
林冲「なんて言うか・・・郁里ちゃんにデレデレな呉用さんに言われても、なんだかちょっと締まらないというか・・・」
阮小五「呉用さんが、郁里さんの唇が柔らかいとか、そんなふうに思っているなんて知りたくありませんでした」
呉用「~~~っ!とにかく、持ち場へ戻れ!」
呉用の怒声が飛び、それぞれが馬に飛び乗る。
その場には、呉用と郁里、戴宗だけが残った。
呉用「さて、我々も移動しよう」
呉用が馬に乗ろうとしたときだった。
兵士「呉用さま!大変です!」
兵士が転がるようにしてやってきた。
呉用「何があった」
兵士「宋江さまの軍が、曾家の猛攻を受けて混乱中!」
呉用「なんだと・・・・・!」
兵士「曾兄弟が、宋江さまの隊に向かい始めまして・・・」
呉用「梁山泊の各部隊は!?」
兵士「その場に残った兵たちによって足止めを食らっています。猛攻は激しく、このままでは・・・っ」
呉用「分かった。戴宗、各部隊に現状を伝えてくれ。部隊は半分に分け、半分は宋江様の援護に。もう半分で曾家の本営に当たれ」
戴宗「分かった」
戴宗が駆け出すのを確認してから、呉用は郁里を馬に乗せて駆け出した。
呉用「宋江様を討ち取られては、梁山泊軍の勝利はない・・・まだ、宋江様は仮ではあるが、これからの梁山泊をまとめていかれる人間だ。絶対にお守りしなければならない・・・・・!」
郁里「間に合いますよね・・・?」
呉用「間に合わせて見せる・・・。私が行っても、大した戦力にならないかもしれないが、それでも、出来得る限りの力で・・・」
二人がいたところから、宋江の軍がいる場所まではそう遠くなかったおかげで、どうにか目的地までたどり着いた。
呉用「これは・・・」
郁里「っ・・・・・!」
戦場を見た呉用は、言葉を失った。
郁里は、その場を直視できなかった。
呉用「何と言うことだ・・・」
そこには、梁山泊軍の兵士の死体が累々と横たわっていた。
郁里「うっ・・・・・」
呉用「見るな、郁里・・・」
呉用が郁里の目をふさぐようにした。
吐き気をもよおして倒れそうになる体を、しっかりと支える。
郁里「・・・ごめんなさい・・・」
呉用「仕方ない。これだけの死体を見たことはないだろう」
頼ってばかりではいけないと、郁里は力を振り絞って立ち、背筋を伸ばした。
呉用「郁里?」
郁里「私は・・・大丈夫ですから。ここに宋江さんの軍がいたはずなんですよね」
呉用「ああ。おそらく、押されて後退しているはずだ・・・」
呉用は慎重に進みながら、辺りを見回す。
呉用「いた・・・・・!あそこだ!」
呉用が指差す先を見ると、土埃が舞っていて、戦闘の気配があった。
呉用「飛ばすぞ!」
郁里「はい!」
戦場が近づいたとき、郁里は自分の体の異変に気が付いた。
(うそ・・・・・!)
郁里「呉用さん!」
呉用「どうした。・・・・・!」
郁里「体が・・・・・!」
郁里の体が透け始めていた。
呉用「なぜだ!なぜ、今・・・・・!」
まるで郁里が消えてしまうのを止めようとするかのように、呉用が強く抱きしめた。
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連続アーップ!
早く宋江さんを助けてぇ~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。