初めましての方はこちらからどうぞ。
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今日は、まだ私が20代の頃、
新卒で勤務した漬物会社でのお話です。
今日のお話は、
私が漬物に関わっていた中で
一番インパクトがあった出来事でした。
新卒すぐに配属された部署は
品質管理室でした。
品質管理室で私がやっていた主な仕事は、
工場で作る商品を分析して、
その分析結果をまとめて保管しておくこと。
具体的に言うと、
漬物や調味液の味見をして、
塩分・酸度・糖度を分析します。
味がおかしかったり、
分析結果が基準から外れていたら、
現場に行って原因を確認し、
場合によっては作り直したり、
取り返しがつかないときは
製造ロット全てを廃棄するということも
ありました。
更に、重要な仕事として
ある添加物を計量して現場に渡す、
そしてその濃度を分析して、
記録に残しておくことがありました。
その添加物は、
濃度を間違える（濃すぎると）
人体に危険が及ぶということで、
計量間違いを防ぐために、
現場ではなく品質管理担当が
計量して現場に渡すことになっていたのです。
その添加物は
「ソルビン酸ナトリウム」
というもので、
防腐剤として使用されます。
この「ソルビン酸ナトリウム」については、
かなり厳重に扱っていた印象があります。
濃度を分析していたのは、
この「ソルビン酸ナトリウム」と
「安息香酸ナトリウム」の
２種類だけでしたので。
それだけ、危険な添加物と
私は認識していました。
この添加物は、
私がいた会社では
一部の沢庵漬けに使われていました。
沢庵漬けは、
通常塩分が高い（7～8％）ので、
防腐剤は使わなくても
日持ちするのですが、
塩分が低い（3％前後）ものも
ラインナップとして揃えていて、
どうしても菌が増殖しやすいので、
ソルビン酸ナトリウムを
使っていたように記憶しています。
ある日、
いつものように、
「ソルビン酸ナトリウム」を計量していたとき、
手に刺激が走りました。
「え？！」
本当にびっくりしました。
手が荒れて傷口があり、
そこに「ソルビン酸ナトリウム」が
しみていたんです
「こんな怖いものを
食品に使ってるの？！」
って。
良く考えると、
防腐剤→殺菌剤→消毒液のようなもの
なんですよね。
オキシドールとか消毒のために、
傷口に塗るとしみるじゃないですか。
あれと同じということ。
だから、あれだけ
厳重に濃度を記録に残して、
管理する必要があるんだ、と、
自分の身体で感じました。
そんな添加物が使われているものを
食べ続けたらどうなるんでしょう？
そこまでは分かりませんが、
私はその経験から、
市販の漬物は
食べなくなってしまいました。
でも、保存料を使わないと、
菌が増殖して、
食中毒を起こす可能性があるので、
それを抑えるという意味では必要なもの。
食品を広く流通させるためには
仕方ないことなんだということも
理解しています。
食品添加物を
一方的に断罪している方もいますが、
良い面、悪い面あるので、
それを知って、
自分で賢く選べるようになる
必要があると思っています。
※このブログは一個人の経験・意見であり、
業界団体や特定の会社には
全く関係ありません。
また、二十数年前の経験ですので、
現在は変更されている可能性があります。
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