26 EC療法(その3)「第1クール/発熱」
2014.7.14(月)第1週目の月曜日から体調(心理的なものは別だが)は回復傾向にあり、この日は2週目の月曜日となる。この頃から髪の毛を少し引っ張ると、するすると数本抜け始めた。この日は妙に体が熱っぽくて関節痛があり、喉の左側のリンパが腫れていて唾を飲み込めないほど痛くなった。2014.7.15 (火)昨日からの風邪のような症状が続き、日記には体調の悪さや体力の低下を嘆いて、「泣きながら家に帰る」とある。この頃は精神的にもまいっていたのだろう、なぜか救急車やパトカーのサイレン音を聞くと無性に悲しくなった。この日も帰宅途中に通りかかった救急車のサイレンを聞き、マスクの中で泣きじゃくっていた。骨髄抑制のためにマスクを着用するようになっていたので、周りの人に気づかれないようなんとかごまかした。家に着いて、熱を測ってみるとなんと38度もあった。僕は風邪を引いても38度まで熱が出るというのはあまり経験がないのだが、病院にいけばきっと痛い注射を打たれると思い、寝てたら治るとばかりにベッドへもぐりこむ。しかし、抗がん剤中は38度以上発熱した場合はすぐに病院に連絡するように言われていたことを思い出し、もう一度熱を測ってみるがやはり38度。(ええい、しょうがねえな)と布団を跳ね除けて病院へ電話した。当直は内科の先生だった。救急で受診すると心配していた痛い注射はされず、抗生物質の処方を受けるだけで終わった。2014.7.16(水)朝、熱を測ると37度まで熱は下がっていたが、夕方にはまた38度まで上がってきた。この日はスヴェンソンで坊主頭に刈ってもらい、ウィッグデビューをはたした。2014.7.17(木)通院日ではなかったが、続く発熱が気になって主治医を訪ねる。採血の結果、白血球が減少していることが分り、今日と明日の2回、ノイトロジンを打つことになった。この夜、また38度まで発熱する。2014.7.18 (金)朝は平熱だった。ノイトロジンの注射のため、病院へ向かう。ノイトロジン特有の腰痛‥腰がだるいような症状があったが、ロキソニンを飲むとましになった。2014.7.19 (土)朝、38度の発熱。土曜日だったが10時に病院を訪ね、採血をしてもらうと白血球が大幅にupしていたため、ノイトロジンは打たなかった。発熱はこの日を最後に収まったが、通常の会社の仕事に加え、心因性の吐き気や倦怠感、ますます激しくなる脱毛、かつらの打ち合わせなど、怒涛のような3週間だった。結局3週間の休薬期間のうち元気だったのは4、5日ほどしかなくて、この先が思いやられてしまった。