音楽劇 「不思議な国のエロス」@新国立小劇場
【作】 寺山修司
【演出 】稲葉賀恵
【音楽 】古川麦
【出演】松岡依都美、花瀬琴音、横溝菜帆、朝海ひかる、原田優一、内海啓貴、渡邉蒼、関谷春子、りゑ、万里紗、皆本麻帆、柿丸美智恵、林光哲、伊藤壮太郎、美玖空、溝口悟光、大石英玄、出津玲奈、高橋ひろし、北村岳子、占部房子、伊達暁、富岡晃一郎
面白かった。
ギリシャ喜劇「女の平和」をベースに寺山修司さんが書いたのだが、当時上演されず、幻の異色作と言われているそうです。
内容に触れています。
通路側の席だったですが、キャストが何度も通るのも楽しい。
劇場も小劇場で、キャストも多いし、照明も美しいので、後方席なのがかえって良かったかも。
音楽の曲数はかなり多い。皆で歌う曲は迫力があるし、楽しくポップで、又武器でなく言葉によるラップ対決があったのだが、ここは格好良かった。
それなのに、言葉は鋭く刺さる。
女性達が平和の為、戦いに明け暮れる男たちを相手に、敵味方の垣根を超えて立ち上がります。セックス・ストライキ。
えー!と驚いたが、色々ありながらも、それで本当に平和を勝ち取る。
反戦、平和がテーマ。後ジェンダー。
女性達が本当に逞しい。そのリーダー役を演じたのが松岡依都美さん、存在感はさすが。
全体を通し、明るく描いているのに、ずっしり重い言葉を残す。
平和を目前に悲劇の恋となってしまう2人。
終わりも、平和を喜ぶムードの中、彼女の嘆きが棘の様に刺さる。
戦争は終わってよかったではすまないのだよね。
シンプルなセットと照明が素敵だった。布に当たる照明の効果は美しいだけでなく、芝居のその時の色を表現していた。
衣装も可愛い。
キャストも個性豊か。
原田優一さんの演歌や、柿丸美智恵さんに笑った。
ストーリーテーラーの役があったのだが、おそらく客席を巻き込み、今と繋がる役目なのかな?
そこがいまひとつ、盛り上がっていない。初日あけて間もないからなのか?
これから盛り上がるといいなあ。