エンジェルス・イン・アメリカ
第一部 「ミレニアムが迫る」5/21
第二部 「ペレストロイカ」5/28
【脚本】トニー・クシュナー
【演出】上村聡史
【出演】浅野雅博、岩永達也、長村航希、坂本慶介、鈴木杏、那須佐代子、水夏希、山西惇
2日に分け長時間の観劇を終えた後は、幸せな余韻だった。
1980年代のエイズ禍のNYを舞台に、セクシュアリティ、人種問題、信仰、政治─
アメリカ社会が抱える苦悩や葛藤を浮き彫りにした、群像劇!
テーマは重いのに、笑いが多く、妄想、夢がぶっとび、豊かな脚本、言葉、キャスト。
舞台は観客と共に作られるとよく言うが、まるで自分も何か成し遂げた様な達成感さえ感じる体験だった。
話をうまく説明出来ないので省きますが、壮絶な人生を歩んだ人々が、不思議と必然のように交わり、自分の歩む道を決めていく。
ずっと彼や彼女の苦悩を見続け、心の中を妄想や夢という形で見続けながら、色んな言葉にはっとしたり、死の間際にまで人を騙そうとする逞しさに、ありえない出来事に大笑いしたりする。演出や登場する者も豊か。
そして、共に長旅をした最後に聞いた決意というか?今までの人生の受容と未来への夢かな。
そして思わずむけられた観客への言葉に、不思議な感じたことのない感覚を味わった。
舞台から生きることを受け止り、祝福を受ける。
舞台から祝福をうけた瞬間のあの気持ちを忘れたくない。
そしてカーテンコールで、キャストから私達に拍手が送られた。なんか、この時期に観たからだけど、コロナ禍を共に乗り越えたのだなあなんて気持ちも拍手を受けながら感じた。
オーディションで選ばれた8名のキャストが(何役も演じ)素晴らしかった。
皆さん良かったのですが、特に鈴木杏さんのハーパーはそのものだった。ハーパーの言葉を文字で見たら、鈴木杏さんの声で蘇ると思う。那須佐代子さんの説得力もだし。
初めて見た方なのだが、プライアーを演じた岩永達也さん、この舞台にかける気持ちとプライアーが重なって見えるような、彼のプライアー良かったな。
東京楽の日、客席の反応も良く笑い声も多く、カーテンコールで掛け声もかかり、あたたか一体感に包まれてました。見られて嬉しかったな。