ミュージカル「アルジャーノンに花束を」 | 気のむくままに

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観劇日記の様になってますが、気になりましたら、読んで頂けますと嬉しいです。

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連休最後の日が雨の東京千秋楽だった。


終わっちゃったーと思いながらも、浦井くんのチャーリイでこの作品を再演をしてくれた事に本当に感謝したい公演だった。
9年の深みを感じた。

東京千秋楽の日は、これで観るのも最後と思う緊張感が自分にもあったが、劇場内も良い意味での熱量を感じた。 
こんな劇場の雰囲気を感じるのも観劇の醍醐味。

その日の公演も、丁寧に演じられていくのを感じた。
回数を重ねてのカンパニーの熱量というか、気持ちの入り具合いも進化も感じた。
浦井チャーリイを見守る他の登場人物の思いもひしひしと伝わる。

この作品、チャーリイと共に苦しくなる。千秋楽の日は、ラハジャマティでの怒りに、1幕ラストのチャーリイ歌のアルジャーノンすがるような「おまえにもわかるだろう」の歌詞は思わず自分の胸を押さえながら聴いていた。
2幕途中からは、もう‥

観た帰りは、心の中がかき混ぜられているように苦しくて、ドキドキしながらの帰宅だったのだけど、頭に浮かぶのはチャーリイの純真無垢な笑顔で、そこが凄いなあ思う。

そして、この日、賢くなったチャーリイの中にずっといた昔のチャーリイ。その存在を恐れていたが、アルジャーノンの死と共に、昔のチャーリイの存在を認めた様に感じた。
前回も思ったが、退行後のチャーリイの中に賢くなったチャーリイがいて、「たのしかったきがする」と言ってくれたのが救いだなとつくづく感じた。

浦井君のチャーリイの凄さは見れば見る程感じるし、見るほどに、切なさや知能が上がったチャーリイの鋭さが増し出るように感じた。
そしてことばごと、いや一音ごとに行ったりきたりするチャーリィの変化は見れば見る程、もう凄すぎて震えた。

千秋楽の日はセンターより後方席。その為か群像劇である事が1番感じられた回。
チャーリイと関わった人達の心の変化は花を手向ける表情に特に感じられる気がし、そこでも泣きそうになった。

歌での表現は素晴らしいと思っていたがあまりしっくりきてなかったキニアス先生、この日思いがとても伝わって(特に苦悩する姿)しっくりきた。
今回の公演SFというより、もっと身近に感じたかなあ。

このカンパニーでのアルジャーノンに花束を。
大阪公演がこの土日。ファンであることを差し引いても、沢山の方に見てもらえたらなあと思う。

そしてCDをせめて残し欲しい。