イキウメ「図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの」 | 気のむくままに

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観劇日記の様になってますが、気になりましたら、読んで頂けますと嬉しいです。

マイペースに更新しております。

 
【作・演出】前川知大
 
【出演】浜田信也 安井順平 盛 隆二 森下 創 大窪人衛 /
小野ゆり子 清水葉月 田村健太郎 千葉雅子
 
 
 

作品紹介に、意識の中の魔物「感情、衝動、思い出」についての短編集、とあります。

 
 
ありえない話でありながら、ありそうなのは、いつもイキウメ作品で感じる感覚。
今回観た後、作品紹介をみてその通りだな、と思った。人の意識の中の魔物(ついやってしまう衝動や、普段実は感じていたこと)は意思とは関係なく襲ってくる。
そして余韻がすごかった。
 
見終えた瞬間、もう一回見る!と思ったのだが、この後の観劇予定がつまっていて不可能‥
そして、今までの図書館的人生も観たくなった。vol3なんて、「食べもの連鎖」とか。観てみたい。
 
前川さんは、心理学者でもあるんじゃないか?とさえ思ったりもする。
そこが演劇の醍醐味であるとは思うのだが、身を委ねてみると、自分の中にある何かが解放し、感じやすくなっている状態で、普段感じているどこかの琴線にふれてくる。
生命とか、生き方とか、死との距離とか。
 
3本の短編集を2時間一挙にみてるうちに、笑って、何かの渦に巻き込れはっと目覚め、感情を揺すぶられた。
 
 
6月3日まで公演中。
イキウメさんは、毎日必ず当日券を出す劇団です。気になっているなら、並んででも観る事をお勧めします。
 
ここからはネタバレを含んでいるので、これから観る方はブラウザーバックを
 
 
 
 
 
#1『箱詰め男』 脳科学者の山田不二夫は、皮肉にも脳に進行性の病を発症する。山田は病を契機に自分の体を使い、人間の意識、精神活動をコンピューターに移す実験を試みる…。(抜粋)
 
人工知能と人間の違いはどこだろう。コンピュータは寄木細工?の箱で、箱がだんだん人間っぽく見えてきた。赤面したり、ヤキモチを妬いたりって、もう脳だけでない、心もある。感情が動きだしたら、箱があーなるのも納得だなあと思う。
そのきっかけが嗅覚というのも面白いなあ。
思い出というと楽しい事を想像するが、楽しい思い出ばりではない、そんな思い出こそ意思とは関係なく襲ってくる。
決して楽しい話ではないのに、笑いが多く楽しかった。
 
 
#2『ミッション』 輝夫はふいに意志と無関係に襲ってくる衝動に悩まされており、それが原因で死亡交通事故を起こす。誰が自分に命令しているのか、この事故はどういう意味を持つのか、奇妙な考えを膨らませる…。(抜粋)
 
セットが遠近法的に何層かになっていて(#1〜3まで同じです)何層かになってるサイドから出たり引っ込んだりしている人を見てるうちに、また同じ事を繰り返しす輝夫をみているうちに、不思議なループにはまっていきました。
そこを輝夫の友人の、ある行動で、はっとさせられるます。
そこから、#3に入るか流れが、説明はつかないのですが、心理的に絶妙でした。
 
 
 
#3『あやつり人間』 大学生の由香里には、優しい兄と優しい彼氏がいる。二人の優しさに守られながら、由香里は自分が何から守られているのか、疑問を持ち始める。病床の母を看病する優しい兄の、心の裏にあるものに、由香里は切り込んでいく…。(抜粋)
 
母の病気の治療に対して、母の意見を尊重したい、それに寄り添う、という由香里の気持ちに全面的に同意していく自分。
相手の気持ちを尊重せず、独りよがりとも思える男達の言葉にイライラしていく自分。
ところが、もっと大きな心で包んでいる母の言葉にはっとする。死と隣り合わせにいる母ならではの言葉なのかも。母は、意識にとらわれない自由さを持っているのかも。
重病の母を持つ息子はどうにもならない魔物に襲われていて、黒い巨岩の下でタップダンスを踊る。人形のようでもあり不気味でもあり、その姿が忘れられない。
 
#3を見ると、#1  #2  の話が交差し、ぐるっと回っている事に気がつき、その面白さがまた余韻となっていた。