ゾコーバが処方されない?考えられるいくつかの理由 | 調剤薬局で働くママ薬剤師のお薬と子育て親育ちブログ

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昭和生まれ2児の母でもある調剤薬局勤務の薬剤師が市販薬や病院の処方薬、薬の飲み合わせなどお薬のこと、大好きなコンビニスィーツや思春期の子育てで感じることなどの日常のアレコレを書いているブログです。

こんにちは。

薬剤師の安美です。

 

 

yahooニュースに出てました。

 

 

 

ゾコーバ錠などのコロナ治療薬は、2023年8月現在、公費負担(自己負担は無料)です。

 

それが、10月から一部自己負担になるとの報道。

 

 

 

そりゃそうだよね。

というのが、正直な感想です。

 

 

「一部」自己負担というのがひっかかりますが…。

 

 

おそらく段階を踏んで、いずれは他の薬と同じ扱いになるのではと思います。

 

 

 

 

このゾコーバ錠は2023年の春あたりから、一般流通しています。

 

勤務先の薬局にもありますし、

実際に、コロナの患者さんに処方されています。

 

国内で承認されているコロナの飲み薬の中では、
ゾコーバだけが重症化リスクの有無を問わずに軽症の場合にも使うことができます。

 

ただ、コロナになったらゾコーバ処方というわけではないんですね。

 

ゾコーバが処方されない理由として考えられるものを挙げてみました。

 

 

 

【ゾコーバが処方されなかった理由】

 

1.医師に処方する意志がない

コロナに罹患したけれど、解熱剤や咳止めなどしか処方されなかった

という方も多いですよね。

 

「もともと健康な方の場合、安静にしていれば治る」

と考えて、はじめっからゾコーバを処方するつもりがない

というお医者さんもいらっしゃると聞きました。

 

個人的には、
ゾコーバが高価な薬であること、
「発熱や喉の痛みなどのコロナ症状を1日短縮する」という費用対効果
がポイントなのではと感じました。

 

さらに、催奇形性もあるし、
私は積極的に使おうとは思わないかも…。

 

 

 

2.12歳未満の子どもだった

 

ゾコーバを服用できるのは12歳以上です。

 

 

3.妊婦さんもしくは妊娠の可能性がある女性、授乳中だった

 

動物実験で胎児に影響があることがわかっており、

妊婦さんと妊娠の可能性がある方は、ゾコーバを服用することができません。

 

ちなみに、ゾコーバを服用した場合

服用後2週間は避妊が必要です。

 

授乳中の場合も、
やはり動物実験で乳汁への移行性が確認されており、

服用中と服用後2週間は授乳を避けることが望ましい

とされています。

 

母乳のみで育てている場合、これはなかなか難しいですね。

 

 

4.コロナ発症後72時間以上が過ぎていた

 

ゾコーバは、
コロナウィルスによる症状が出てから3日目までに服用開始した患者さんに

有効性が推定されています。

 

なので、できるだけ早く服用すること、
遅くとも72時間以内に飲み始める必要があります。

 

 

5.服用している薬があり、ゾコーバとの飲み合わせが問題だった

 

ゾコーバは併用禁忌(絶対に併用したらダメ)の薬が多いです。

 

なので、ゾコーバが処方されると、
お薬手帳や薬歴などダブルチェックして問題ないか確認するようにしています。

 

併用禁忌については、また、別記事で書こうと思います!

 

 

あと、腎機能や肝機能に問題がある方もゾコーバの服用は注意が必要です。

 

 

 

ざっと考えてみただけで、5つほどあがりました。

 

でも、1日でも早くコロナのつらい症状から回復したい

という気持ちもわかります。

 

さらに、初期にウィルス量を減らすことで、
コロナ後遺症リスクの軽減も期待されています。

 

 

まだ緊急承認の薬なので、今後の報告をしっかりみていくことが大切ですね!