第5回WBC2023の侍ジャパンを振り返る(前編・選考編) | まぶたはともだち

まぶたはともだち

読んだ全ての本、マンガ、映画の感想を書いていきます。
最近はプロ野球もお熱です。

※3月に8割くらい書いて放置したものを12月になって投稿しています。おかしなところも散見されますがご容赦ください。

 

9か月が経ち、ストーブリーグも終わりかけている今もなお、球界には、いや世間にもまだ3月の余韻が残っているような気がします。

今月12月7日発売のnumber1086号の表紙は、世界一になった瞬間の大谷翔平でした。

 

おおみそかはTBSが6時間の特番「WBC2023 ザ・ファイナル」を組むそうです。

いや流石にこれはこすりすぎぃ!

 

2019年のプレミア12を制したときも、確かに嬉しかった。

2021年の東京オリンピックを制したときも、胃がヒリついて割れそうになるほどの緊張感があった。

だけどこの大会にはそれを超える感動と興奮がありました。

 

 

国際試合の翌日は毎回スポーツ新聞を買っていますが、今回は元旦から3月31日試合のない日も毎日、3か月間連続で日刊スポーツを買っていました。メンバーがぽつぽつ発表され始めたころからのうねりはいまだによく覚えています。

買えなかった日は新聞屋まで行ってバックナンバーを買い求めました。

 

優勝できるかどうかはともかく、この大会は語り継がれる伝説になる、そういう予感がありました。その予感は珍しく的中しました。

 

とりあえず、代表メンバー選考から振り返っていきましょう。

おととしの12月、監督に就任したのは元日本ハムファイターズ監督の栗山英樹。

先代の稲葉篤紀、先々代の小久保裕紀に対して「プロ野球の監督をやったことないがゆえの謎采配」を感じていたボクにとっては、非常に納得のいく起用でした。

1月18日、ユニクロの柳井会長との謎対談 こうしてみるとやっぱ老けたな……

 

11月に代表メンバーの選考を兼ねた強化試合を経て、1月6日に一部メンバーの選考発表、26日そに全30名の発表が行われました。

 

 

 

【スタッフ】8人

・栗山英樹(61)監督

・白井一幸(61)ヘッドコーチ

・吉村禎章(59)打撃コーチ

・吉井理人(57)投手コーチ

・厚沢和幸(50)ブルペン担当コーチ

・村田善則(48)バッテリーコーチ

・城石憲之(49)内野守備・走塁兼作戦コーチ

・清水雅治(58)外野守備走塁コーチ

 

 

【投手】16人

・ダルビッシュ有(36)パドレス
・戸郷翔征(22)巨人
・松井裕樹(27)楽天
・佐々木朗希(21)ロッテ
・大勢(23)巨人
・大谷翔平(28)エンゼルス ※打者兼任
・山本由伸(24)オリックス
・栗林良吏(26)広島 ※1次ラウンドで離脱
・今永昇太(29)DeNA
・湯浅京己(23)阪神
・宇田川優希(24)オリックス
・高橋宏斗(20)中日
・宮城大弥(21)オリックス
・高橋奎二(25)ヤクルト

・山崎颯一郎(24)※準々決勝ラウンドから合流
 

【捕手】3人

・甲斐拓也(30)ソフトバンク
・大城卓三(30)巨人
・中村悠平(32)ヤクルト

 

【内野手】8人
・山田哲人(30)ヤクルト
・源田壮亮(30)西武
・牧秀悟(24)DeNA
・中野拓夢(26)阪神
・岡本和真(26)巨人
・山川穂高(31)西武
・村上宗隆(23)ヤクルト

 

【外野手】6人
・近藤健介(29)ソフトバンク
・周東佑京(27)ソフトバンク
・ラーズ・ヌートバー(25)カージナルス
・吉田正尚(29)レッドソックス
・鈴木誠也(28)カブス ※2月28日に離脱

・牧原大成(30)ソフトバンク ※3月1日に追加選出

 

 

間違いなく史上最高のメンバー、ドリームを超えたドリームチームだと思います。

大谷翔平の選出は2015年のプレミア12以来。しかもそのときは投手限定でした。

6年前のWBCでは直前に出場を辞退した彼が、メジャーリーグMVP、規定投球回&規定打席到達の圧倒的な実績をひっさげ、ついに二刀流での出場。

大谷は夏頃から出たい出たいとアピールしていましたけど、年末になると態度を保留していたダルビッシュ、鈴木誠也、更にはポスティングでオリックスから移籍したばかりの吉田正尚まで参戦を表明。

 

出場辞退を表明したのはソフトバンクの柳田、今宮、メッツに移籍した千賀、巨人の坂本程度。

まあ千賀以外はレギュラーかというと微妙だし、年齢考えると控えに置いておくメンツじゃないしなあ。

 

ただ、個人的に引っかかったのが外野手部門。

特にセンター不在、そこにヌートバーを起用するという方針にはかなり疑問を感じました。

 

以下ちょっと長くなりますが、11月に書いた「ぼくが考えた最強の侍ジャパン」です。

(◎と〇で合計28人。バックアップ要因の△が6人。

この地点ではメンバーが30人に増えるという話はまだなかった)

 

【レギュラー野手】

【控え野手】

 

【先発・第二先発】

【リリーフ要員】

 

この中で選ばれなかったのは投手だと田中、平良、沢村。

キャッチャーはキノタク、森。内野は上川畑のみ。

 

「中軸を山川・村上・岡本とタイプの似た内野のスラッガーで固める」

「オリックスからは強化試合に呼ばれた山崎ではなく宇田川を招集」

など、自分で言うのもあれですが結構いい線行ってたと思います。

 

ただ外野は6人チョイスして実際に呼ばれたのが鈴木、周東のみ。

このリストには入れてませんでしたが、広島の西川龍馬とかも割といけるんじゃないかと思ってましたが、ことごとく外れました。

 

もう誰でも知ってると思いますが、WBCは日本国籍でなくとも親が日本国籍だったり、日本で生まれていれば日本代表の資格があります。

当時ヌートバーの招集は議論を呼ぶ……というほどでもなく即おおむね好意的に受け入れられていたように思うのですが、ボクは本大会が始まるまでハッキリ否定的にとらえていました。

 

理由を箇条書きにすると、

 

  1. 打率が低い(2割2分8厘)。長打率4割4分8厘は優秀だが、長打に特化した選手は他にもたくさんいる。
  2. 足もそこそこ速いようだが、盗塁ができるタイプでもない(4盗塁)。単純に身体能力だけ比べれば塩見や近本の比ではないのだろうが、野球はそれだけで決まるスポーツではないはず。
  3. UZR4.9は一見優秀なようだが守備イニングは700イニング程度。シーズン全体の半分程度のパフォーマンスでしかない。日本でほぼフルで出てUZR8.7の塩見、同6.0の近本の方がよっぽど信頼できる。
  4. 当初はガーディアンズのクアンも出るという話だったが断念。一人だけ日本語が分からなくて大丈夫なのか。守備の連係はとれるのか。
  5. 栗山の「野球というスポーツの力で閉塞感のある世の中に何が出来るか」「戦争が起こったりしている中で他の国で野球をやっていても、人と人はつながることができる」というコメント。純粋に実力で選考していたら出てこない発言なのでは。
  6. そもそもWBCの出場資格が緩いのはアメリカが様々な国にルーツをもつ移民族国家であり、ヨーロッパなどあまり野球が盛んでない国にも広まって欲しいからではないかと思われるが、もとから野球が盛んで日本人だけで立派なメンバーを組める日本がアメリカ国籍の日系人を招集するのは、主催のMLBの意図に反するものではないか。

 

すごいな全部間違ってるな?

いま見返してみると、逆張りを通り越して支離滅裂とさえ思えます。

 

結論だけ先に書いておくと、ヌートバーはバッティングでの貢献はもとよりセンターでも好守備を連発。

ダイナミックに手のひら返しをせざるを得ませんでした。

 

 これ近本捕れるかな?

 

これ塩見は捕れんやろなあ

 

チームでは「たっちゃん」と呼ばれ愛され、ファンも彼が打つたびに「ヌーーーー!」とヌ―イングの大歓声

プロ野球は好きだけどMLBは日本人選手の成績をチェックするだけ、という人は相当いると思いますが(自分もそう)、ヌートバーロスに襲われMLBに興味を持つ人も相当数いるでしょう。そういう意味ではMLBの目論見通り裾野を広げたともいえそうです。

 

高木豊や広沢克己など、ヌートバー選出に文句を言ってた解説者も数人いました。

特に自身のYoutubeチャンネルで酷評していた高橋尚成は軽く炎上しており、のちに平謝りしていました。笑えねえ~。

 

これマジで全く評価してないので逆に観る価値ある

不勉強なだけで「筒香みたいなイメージ」とかいう言葉出てくるのか?

 

なお外野手は鈴木誠也が負傷というアクシデントがあったにも関わらず、選ばれたのはソフトバンクの牧原でした。

 

塩見はキャンプ中に下半身のコンディション不良で戦線離脱、近本はレジギガスと呼ばれるほど春先は調子が上がらないのもあってか招集を見送られました。いくらなんでも節穴すぎないか俺。

 

繰り返しになりますが今回は本当に文句のつけようがないドリームチームでした。

それがゆえに負けたときの言い訳が出来ない、仮にベスト4行けなかったら殺されかねないメンツなので、栗山には東京オリンピックをも上回るプレッシャーがあったと思います。

 

続きます。