・ワッチャプリマジ! #1~51
「ちょっと暗くなってきちゃったな。うし、帰るか。まつり、行くぞ」
「帰りたくない……まだ一緒にいたい」
「大丈夫だって。きちんと早起きするし、歯も磨くし、片づけは……まあ何とか頑張る。にゃんじいの言うこと聞くし?くそじじいって言わない。ヒューイと喧嘩は……なるべく我慢する」
「みゃむ……」
「だから心配すんなって」
「ごめんなさい……」
「何で……?」
「全部私のせいだから。私が頼りないから。」
「まつり……」
「みゃむの魔法を、私がうばっちゃった、大切な……にゃむの大切なマジなのに、にゃむのプリマジを、私が……」
「まつり、それは違うぞ。あたし、プリマジするためにまつりと出会ったんじゃない。まつりと出会うためにプリマジがあったんだぞ。楽しかったことも喧嘩しちゃったことも悔しかったことも、全部、全部全部全部、あたしの中でマジになってる、あたしのマジ、無くなってない!あたし今本当の、マジだから!」
(50話Bパート)
3大女児向けアニメ・プリキュア・アイカツ・プリティーシリーズを、これでようやく一通り視聴したことになります。
(サンリオ系列込みだと4大?)
「たまゆら」「ARIA」の佐藤順一が総監督ということで初めて観てみることにしたのが1年前。
ニコニコ動画で画面の向こうのオジチュッピたちと一緒にぶっ飛んだギャグで笑ったり、ライブシーンで感動を共有するのが楽しかった。ちょっとセクハラ気味のコメントが多くてうえっとなることもままありましたが。
まあ甘瓜みるきとか明らかに胸でかく描かれてたしなあ。
序盤は完全に腹黒キャラだったのに、いつの間にか自分の中の信念と美学を貫くキャラにスライドしてたのは恐れ入った。
イケメンに目移りしてオジチュッピの不興を買ったり、「勝てない勝負はしないお」と公言して雑魚専だのヒソカだの視聴者からからかわわれたりしてた頃が懐かしい。
最初は性格に難があるキャラクター多すぎだろとツッコんでましたが、あっという間に愛着が湧きましたね。
みんなアイデンティティーというか自分の世界をもってて、かなり高度な悩みにぶち当たっては成長していく姿を、シンプルに応援する自分がいました。
(マナマナはともかく人間は精神年齢がボクより高い気がしました。こいつら本当に中学生か?)
初期の心愛れもんのコミュ障ひきこもり気質は大笑いしつつもハラハラさせられましたね。
成長度合いで言うと主人公よりでかい気がします。オタクのあるべきすがたを見せてもらった気がするでござる
とはいえ準備期間が足りなかったのか異常に総集編・特番が異常に多く(計9週?)、更には本当は3年続ける想定だったのを1年で畳んだためか、終盤の展開が強引かつ不明瞭だったのは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」を思い出させるものがありました。
(あの状態のジェニファーが説得一回で翻意したのはかなりレイ・ザ・バレルみがあった)
消化しきれてない設定が多かったり、明らかに脚本家の連携がとれてなかったり、完璧な作品ではないと思います。
要点は抑えてますが。
チュッピたちの友情や成長を丁寧に描く一方、魔法界がどうのこうの、にゃむがすごい大魔法使いで~って話が割と早い段階でどうでも良くなって、終盤で思い出したように出てきたのはアレ。
リューメとジェニファーの過去は何があったんだ。リューメはどうしてどうやってまつりに「ジェニファーを助けて」って言ってたんだ。みんな興味ないと判断して思い切ってオミットしたのかな。
宝塚を意識したキャラクター・皇あまねの話を宝塚出身の脚本家・天真みちる氏に任せたりとか、1話1話単体で観るとどれも満点なので、惜しいというべきか。
イケメン眼鏡女子・あまね様。しかもめちゃくちゃ声が低い。
彼女と翠子先輩を巡るエピソードはコミック百合姫に載ってても良さそうだった
前半は阿智彦が競争・弱肉強食をあおりまくってたけど、最終回でまつりが明確に成長した描写がないのに「私、最高のプリマジスタになったよ!」って言ってるのは悲しくなりました。
ひょっとしたら案外4月から放送再開するかも、とは思いましたが、もう彼女の物語はこれで終わったんやなって……
過去のプリティーシリーズも観ないとなって思っているのですが、気になるのが楽曲のバリエーションの乏しさ。
1人1曲しか用意されておらず、主人公・まつりの「マジ・ワッチャパレード」は通算13回も流れました。
3クール目・24話から登場したあうるの「滲む、馨る。」ですら7回。流石に飽きる。
ただ、プリティーシリーズは毎回こんな感じっぽいんですよね。同じ曲が2・3回しか使わないアイカツが異常だったんだと思い知らされました。ライブシーン作る手間考えたら致し方ないのか……
なんか愚痴が多くなってしまいましたが、12話でまつりの悔し涙にもらい泣きしたのも、冒頭に引用したにゃむのセリフで泣いたのも、ずっとずっと思い出として残っていくと思います。
サトジュン監督ありがとう、良き一年間でした。