・上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花 #1
きったねえ学習机で申し訳ない
月のテネメントの塀先生が帰ってきました!
舞台は月島から埼玉県秩父へ。
テーマはコーヒーからお酒へ!
秋田書店が贈る最高のWEBマンガサイト「マンガクロス」では、桜井のりお先生の僕ヤバこと「僕の心のヤバイやつ」が圧倒的な支持を集めています。ボクも大好きですが。
しかし今日これからは、上伊那ぼたんとの二枚看板となることでしょう!
発売日当日の1月20日、さっそく買ってきました!
でん!
ででん!
既に13冊、あと書泉ってところで3冊予約したのを回収してないので、合計16冊。
お前たちには二つの道が許されている。
上伊那ぼたんのコミックスを自分で買うか、
「そんなに持ってるなら1冊分けてくれよ」とボクに言うか。二つに一つ!
っていうか公式アカウントは暗に「50冊買え」って言ってたけど、本当に欲しい人に行き届かなかったらアレだしひとまずこれでいいよね?
辞めた会社で積み立てていた企業年金をぶち込む覚悟はできてるぜ。
まあ自慢はこれくらいにして、本題に入りましょう。
簡単に言うと、お酒を飲むと強気になる女子大生が、先輩たちとの交流を経ていろんな酒を飲んでは翻弄していくお話です。
先に登場人物紹介しておきましょうか。
・上伊那ぼたん
本作の主人公。1回生だが、浪人しているので既に20歳。
劇中でも際立って華のある可憐な少女である。
しらふだと一般的な謙虚な後輩だが、酒を飲むとたちまち強いメスになる。
本当に強いメスになる。
(大事なことなので二回言う)
・砺波いぶき
ぼたんの住んでいる寮の先輩。
就活している描写はないし3回生くらいかな?
昼間からの飲酒に全く抵抗がないことを除くと、ごく常識人。
それは常識人なのか?まあ大学生だし
お酒が大好きだけど、飲むとしゃっくりが止まらなくなることなどから、一人で飲むことを好んでいたが……。
・郡上かなで
修士1年の大先輩。 すげーモテそうだけどいぶきに対して巨大な感情を抱いている。
あとすげーうまそうにかっこよくタバコを吸う。作者特有の線の引き方も相まってその姿はもはやアート。
井之頭五郎ですら禁煙してしまったこのご時世、照れ隠しに後輩に煙を吹きかけたりするのがむしろ粋だと思うんだけどお前どう?
・北杜やえか
同じく寮に住む先輩。おでこ。
やや幼い印象を受けるが旅行が趣味で、バイクの免許を持っている。あとおでこ。
っていうかこのコマやべーな、長瀞の風景がこれ以上ないくらい絵柄にフィットしとる。
4コマでなくなったのが逆に活きとる
・遊佐あかね
やえかの友人。気苦労が多そう。めっちゃ人生相談とかされてそう(偏見)
どのキャラクターもウィットに富んでいるけど、中でも彼女は楽器やってたり、レコードを寮に持ち込んだり文化レベルが高そう
ここまで観てすでに興味がわいた方は、こんな駄文読んでないで早速アマゾンで買いましょう。
俺も買ったんだからさ(同調圧力)
そこまでいかなくても多少は興味がわいた方は、マンガクロスで4話までと最新話が確認できるので読みましょう。
と、いうわけで発売日に改めて1話から読み直したわけですが、いやーぼたんは強い。
顔が強い!
いやだって長野から出てきた、お酒の味も知らないいたいけなはずの女の子がさあ、
こんな「強い顔」でさあ、迫ってくるんですよ!?
正直、先輩たちが男だったら途端に媚びた下品なニュアンスが生まれてしまうだろうなので、女の子同士である必然性みたいのも強烈に感じます。関係性が唐突に揺さぶられる瞬間、その高揚感を、純粋に楽しめるのです。
月のテネメントは今なお素晴らしい作品ですが、正直あまりにも洗練されてて「この気持ちは胸の奥に大切にしまっておきたい」って感じだったんですよね。だから連載が終わるまで一言も発せなかった。
本作はある意味その正反対で、「みんなとこの読後感を共有したい」と感じさせるものがあります。ほぼ毎月のお約束として、「大胆になったぼたんが周囲を惑わせる」という分かりやすいオチが用意されているので、クライマックスのいい感じの高揚感を、周囲にも味わってほしいという心理が働く。
作者の掌の上で気持ちよく踊らせていただいているこの感覚、たまりません。
百合描写を抜きにしても、グルメマンガ的なジャンルとしても素晴らしいのです。
ハイボール、日本酒、焼酎、ワイン……
塀先生は相変わらずフルタイムで働いている様子なのに、その合間に取材して飲んで月14ページも描いているのかと思うと、改めて頭が下がる思いです。
自分、焼酎は食わず嫌いしてるんですけど、今度飲んでみようかな?とごく自然に思ってしまいました。職場の忘年会でも頑なに拒んでいたのにな!
また、酔っぱらうために酒を飲むのではなく、酒を飲んだ結果酔っぱらうという本来あるべき姿が、お酒を覚えたての少女の視点を通じて再確認できます。親の目を盗んでストロングゼロとチーズおかきをカッくらうのは、思いっきり目的と手段が逆転してしまってるんだなと改めて認識するに至りました。
まあそれは極端な実例にしても、大学生の飲酒ってほぼほぼ飲み会じゃないですか。大体酒に飲まれてあんまり親しくもない野郎にウザ絡みしたりされたり(最悪)、膝枕されたりしたりするけど(すいません)(本当にすいません)、彼女たちは決してそうはならない。
そこにもやっぱり女性しか出てこないのが効果的な意味を発揮しているんですよね。
男子大学生同士で酒を飲んで、こんな風にテンション抑えてスマートなコミュニケーションってとれるでしょうか。
百合とお酒、切っても切れない関係の存在に触れてしまったという点においても、本作は罪深いまでに素晴らしい。
絶対なんか「マンガ大賞」取らせような(唐突)
あと特筆に値するのが公式アカウントが精力的にツイートしてくれてることなんですよね。
既にフォロワー数が4000人近いのはすごい
単に「明日更新です」「今日更新しました」っていうアラームじゃなくて、ネームと完成品を比較してくださったりとか、読者を愉しませようという気概を感じます。連載は月一更新だけど全然待たされてる感じがしない。
ときどきお前は何言ってるんだみたいなツイートもありますけど。
『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』公式@kamiinabotan単行本発売を祝し、2020年より1/20を『上伊那ぼたん』記念日といたします。皆さん今日という日を心に刻みましょう。「0120上伊那ぼたん」。「0120上伊那ぼたん」、です。
2020年01月20日 00:19
???
無料のものだけでも読み切れないほどコンテンツにあふれているこのご時世、いくら面白くても積極的にPRしていかないと埋没してしまうということはかつて思い知ったことです。今後も作者ともども頑張っていただきたいところですね。
長くなってしまいましたが、今日はひとまずここまで。
乾杯!
(あれ、そういえばこのマンガ「乾杯」って言ってるシーンなくね?意図的に避けてるのかな……)
(と思ったらあった)