「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」感想 | まぶたはともだち

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・ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

「誰が産めと頼んだ?誰が作ってくれと願った?
私は私を産んだ全てを恨む。
これは、攻撃でもなく宣戦布告でもない。私を産んだお前達への……逆襲だ!」

 

 

21年前の名作がリメイクで帰ってきました。

 

カスミが初めて喋った瞬間、素で一瞬「あ、沢渡真琴だ」と思ったので最悪な気持ちになりました。

あとサカキ様はぶりぶりざえもん宜しく、鈴置さんが亡くなられてからセリフありでの出演が一切ないって友人が言ってたのをずっと信じてたんですけど、調べたら普通に亡くなった直後から三宅健太さんが当ててるじゃないですか。十数年調べもしなかった自分もどうかしてますが。

 

あれ、こんなもんだっけ?」というのが正直な感想。

面白いかって聞かれたら、確かに面白い。3DCGの作画も、人間はともかくポケモンたちは手書きでは出せない味があった。鳥タイプのポケモンの羽毛の感じとか、キングラーの甲殻の感じとかすごいリアルだった。

いや、でもこれがシリーズ最高傑作ってことないでしょ。なんでこんなに神格化されてるんだ?

 

思い出すのは、6年前の映画「神速のゲノセクト ミュウツー覚醒」。

そこに出てきたミュウツー(C.V.高島礼子)は、当初人間を憎むあまりに徹底的にシカトをし、関わり合いを持たないようにしていました。マジで憎かったらそもそも極力接点を絶つ、という発想が当時の自分にはすごい腑に落ちたのですが、一緒に観た母と弟は「こんなのミュウツーじゃない!」とブーイングの嵐。家族との温度差を強烈に感じ取ったものです。

そういえば「ハヤテのごとく!」でも、当時「ナギはハヤテのことが好きなんだったら借金を押し付けて蒸発した両親を探し出して成敗してやれ」みたいな話を延々としている奴がいて、なんだこいつと思っていました。最終回でちゃんと両親が罰を受けており、そのことについて畑先生は「そういう意見が多かったのでそのようにした」というコメントを載せていました。ボクのような発想は少数派なんでしょうか。えーでもそんなことしても何も生まれないじゃーん。

 

入場特典のアーマードミュウツー。かっこいい

 

 

話を戻しましょう。

ボクが初めて見たのはフジ博士の娘のクローンが出てくる「アイツー」とミュウツーの対話が描かれる完全版」だったので、そのくだりが削られているという地点でやや物足りないなものに思えました。

ミュウツーはどうして最初から人間に敵意剥き出しなのか?そしてなぜ逆襲しようとしたのか?という過程がすっ飛ばされているので、理解できない恐怖の対象としか感じられなかった。

 

他にも何となく引っかかるシーンは色々あったのですが、一番気になったのは、ミュウツーが改造したお手製のモンスターボールでサトシたちのポケモンを捕まえるくだり。あれ、必要ですか?あの追いかけっこが始まった瞬間、ボクは真っ先に「先に自分のモンスターボールに仕舞えばいいのでは?」と思ったのですが、そのままポケモンたちが走って逃げては捕まる、というのが延々と丁寧に描かれそのまま10分近く経過。ほとんど捕まってからサトシが思い出したようにようやくボールに入れたものの、ミュウツーのモンスターボールに吸い取られて「いやダメなんかい」ってなりました。これ間違い探しレベルで原作と同じなんだよね?なんだかなあ。

 

とはいえサトシが石になるシーンや、ポケモンの涙で身体が元に戻るシーンなんかは、知ってても、なぜ?というのがよく分からなくても感動してしまいました。予告編を見ていただければ分かる通り、20年経っても強烈に覚えているシーンばかりで、やっぱりすごいと素直に思えた面もあったことを記しておきます。

「キミにきめた!」から3年連続で実験作のような話が続いていますが、来年はポケモンも新作発売ですし元の作風に戻るのでしょうか。楽しみです。