迷作の皮を被った名作?「新機動戦記ガンダムW」 | まぶたはともだち

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・新機動戦記ガンダムW #1~49

(バンダイチャンネルってレンタルDVDより画質良いんすね)

 

1(二)早く戦争になーれ!

2(左)聞きたいかね? 昨日までの時点で99,822人

3(中)ヒイロー!早く私を殺しにいらっしゃーい!

4(右)お前を殺す……

5(三)死ぬほど痛いぞ!

6(一)おかしいなあ……涙が流れてる。少しも悲しくないのに!

7(捕)1年と22日ぶりですね

8(遊)始めるか……俺の自爆ショーを……!

9(投)今分かりました。宇宙の心は彼だったんですね!

 

 

……。

 

 

2004年の巨人打線かな?

二岡がお荷物に見えるのすごい

 

 

MXの「アニメの神様」枠で放送していたのを、先月に入ってからまとめて視聴。

40話で追いついてしまったので、残りは借りてきて観ました。

 

放送されていたのは、新世紀エヴァンゲリオンと同じ95年。

内容以前に気になるのが、作画監督のヘビーローテーションぶり。

ほぼ2週交代。というか、スタジオ・ダブってところに完全に丸投げしてるのですが。

同時期のアニメを調べてみたのですが、作画監督のローテーションはいいとこ5~6週に1度。

歴代のガンダムシリーズを見てみると、ファーストガンダムで安彦さんが31話までのうち16話を担当してますが、90年代でこれは……。

ローテその1(48話より)。

佐久間信一って人も調べてみると大概おかしい

ローテその2(最終回より)。

アイカツシリーズで一人だけ4週に1回のハイペースでやっている高橋晃氏の名前も異様な頻度で見かけます。

今のアニメの書き込みの多さ、20年前の倍じゃすまないよな……とか考えるとゾッとします。

西村誠芳氏、作画監督やってない回もしょっちゅう原画やってるけど、良く過労死しなかったな……。

 

声優陣もなかなかインパクトありました。

緑川光や関俊彦が15歳の少年を演じているのもそうですが、藤原啓冶と森川智之が毎週モブで登板してるんですよね。

時代を感じました。

折笠愛ってベイブレードでマックス役だった人だよね?懐かしい……

 

本編ですが……勝手にダブルオーみたいな作風なのかな?と思っていたのですが、全然違いました。

思い込みの原因の画像

 

 

良く言えばテンポが速くて予想を裏切る展開のオンパレード、悪く言えば頻繁に置いてけぼりを喰らう作品でした。

突っ込み待ちとしか思えないセリフ回しやどことなくシュールな演出は彼岸島を彷彿とさせるものがあります。わざとやっているのだとしたらすごいし、素でやっているんだとしても逆にすごい。

正直ホメようと思えばいくらでもホメられるけど、おかしなところや説明不足に感じるところも同じくらいあるので、評価が分かれそう。もし「ガンダムW?あれ面白い(つまらない)よね」と先入観を植え付けてくる人が周囲にいたら、間違いなくそれに流されていたと思います。

 

とにかく、今まで観てきたどのガンダム作品とも全く違う作風でした。中盤まではガンダムに乗るシーンより潜入工作をしているシーンの方が多いし、あとものすごく簡単に自爆する。

「近頃は命を大切にしすぎる」とおっしゃる帝愛の兵藤会長も、これなら満足してくれることでしょう。まあどいつもこいつも死なないしガンダムも毎回修理されるけどな。

ガンダムAGEでキオが階段を10メートルくらい転げ落ちてケガ一つしない、みたいなシーンがあってギョッとしたことあったけど、ヒイロに比べたら普通普通。

 

五人のガンダムを駆る少年たちは、固い絆で結ばれた仲間という訳ではありません。めいめいが勝手に指令を受けて行動し、必要なときに共闘するといった感じ。

終盤になっても共通の敵に相対して一致団結、という感じではあまりありませんでした。それゆえになぜ戦うのか?といった葛藤や、キャラクターごとの信念みたいなのは強く伝わってきたのですが、まーモヤモヤする期間が長かった。特に五飛は何にこだわっているのかなかなか伝わってこなくて……。

 

あとヒイロがガンダムに乗らない期間の長さな?

ウイングガンダムを地球で放棄したあと、トロワに捕まって、メリクリウスに乗せられる……みたいな話が延々と続いたときはマジでイライラした。

あの辺で監督が交代したそうですが、あのまま行ったらどういう結末になっていたんだろう。ラスト10話くらいはそれまでのぶっ飛んだ展開を活かしつつも、かなりガンダムっぽい作風になっていたのでうまいなーと思いました。

 

(※完結編「Endless Waltz」に続く……)