私はイタリア某研究所で働いたことがある。


この研究所の事務職員の働きっぷり  は前に紹介したとおりである。

私の場合、契約が非常に短期(2ヶ月ごと)だったのでこんな働き方をしたら契約更新は望めないだろう。

私の仕事は何でも屋秘書兼アシスタントであった。

この研究所にはいくつかの研究グループがいて、その中の1グループのために働いた。

研究内容は例えば、「植物エストロゲンと更年期の女性の骨祖しょう症の予防」、「アフガニスタン難民の栄養状態」など。



イタリアの公立研究所は



常にお金がないガーン



ことで有名である。


2005年も新たに政府により研究費が大幅にカットとなっていた。


研究所を見ていればその影響は


一目瞭然。


モノが古いのである。


コンピューターが古い。(モノによってはスクリーンの下に設置するビデオデッキのように横長のIBMの本体。老体に鞭スイッチを入れてから作動するのに15分くらいかかる。)


研究機器も古い。(ー30度冷蔵庫など年代ものである。すぐ壊れるが無理やり蘇生させられる。)


事務用品も古い。(電話は受話器と本体の色、種類が違うものが多い。受話器のみ壊れた電話と本体のみ壊れた電話との愛の結晶である。)


新しいものの購入もされるが、一番安い見積書を送ってきた業者のものが使われる為、劣悪な質のものが多く、長持ちしないのである。

(6台新たに購入したコンピューターのうち4台が保障が切れたすぐになぜか壊れてしまい、修理するのに買った値段の3分の1支払うこととなった。)


政府の助成金だけじゃ足りない為、資金は大抵、ユニセフなどの国連機関やEU内機関から出ている。


ちなみに私の給料はユニセフからでていた。


それに見合うように(?)、きちんと、でもゆったりとシゴトをしたが

そこの研究所のイタリア人にはオドロキだったらしく、


手裏剣戦闘マシーン手裏剣


とあだ名が付いた。


私で戦闘マシーンだったら

日本の会社員の方々は


ロケット核大量破壊殺戮兵器ドクロ


であろう。


短期契約の研究員は70%にものぼり、私の働くグループ8人中1人しか終身雇用されていない。

しかし彼らの働きっぷりも終身雇用事務職員組に負けずと劣らず平和的?なものである。


9時30分くらいに顔を出し、30分置きに10分の喫煙タイムが入り、ゆっくりと昼食を楽しみ、3時にはハイさようならである。

一番働くの研究チームのボスとそのとりまきくらいである。(彼らには野望があり、あわよくば海外の研究所などからひきぬかれる為である。)

こんな


コスモスイタリア人の園黄色い花


のようなところで働く外国人は少なかった。


大抵ヨーロッパ圏から来ている人々で、時々訪問者としてアメリカ人、カナダ人が来訪していた。

職員として働く東洋人は始めてらしく


よく誰かが見物に来た。


部屋を覗いて行くのである。さらにヒマな人は話をしに来た。


私はパンダパンダかっ!


と思ってしまった。


今思うと

見物料とるべきであった。

その理由は・・・次回へ続く・・・。