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”こちらがいつもよく見ていなければすべてがなんでもあいもの、つまりは死んだものだった。そうである以上、いまや私は樹木を草を注視しないではいられなかった。そこで私は、いつもボンヤリと周囲に気をとられている子供として、国民学校の校長に目をつけられ、毎日のように殴りつけられることになった”
”いま思い返してみると、決して聞き手から受け入れられない、祖母や母をつうじて聞き覚えた奇態な神話を饒舌に話し続ける少年、青年にとって、そのような日々の暮しが鬱屈をもたらさなかったはずはない。それでも決してへこたれぬ、のんびりした若者でありえたのは、もうひとつの世界が私の中に色濃い影を落としていたからだったろう。つまり私には、色濃いリアリティーのある、想像力的な確信があったのだ。”
”読み手としての自分の致命的な欠陥と自覚されていたのは、三行か四行かを読み進むだけですぐ夢想に入り込んでしまうタイプであることだった。”
大江健三郎さんが自分を小説家へと誘われた経緯なども含めたお話なのですが、とにかく読み進めるのが難しかったです。小説でもないのだけれど、圧倒的な語彙力、世界観、創造性なども含めて、スラスラと読みこなせる文章ではないからです。さすが、、、です。時代もありますが、昔の小説家と今の小説家は違いますよね。現代はライトノベルっぽい小説、脚本っぽい小説が多くなっており、文字数は短く、表現は易しく、の読みやすいものが売れますものね。
改めてこれを読んで自分の語彙の知識不足を痛感しました。一言ずつ調べながら読みましたもん。現代の小説も好きですが、この時代の影響を受けている作家さんの本も時々は好んで読まなければ「表現力の乏しい人間」になってしまうかもしれない、と思いました。それくらい日本語の綺麗な文章、文体、言葉、思想などを世界として読ませてもらった素敵さに感服いたしました。でもね、それでもね、やっぱりこ難しかったです(笑)
檜原有輝 ひばらゆうき スケジュール
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