年に一度の結婚教育カウンセラースクールアドバンスコースの2日間が無事に終わりました。
2日目の昨日は、
いよいよ結婚教育の柱のひとつであるSOAPに入ります。
このSOAPは、5回にわたり基礎が2本。事例を通しての応用編が3本あります。
過去にSOAPの経験がある方の方が、実はSOAPは難しいかもしれません。
SOAPという言葉に反応し、過去に得たSOAPに関する情報との照らし合わせ作業を授業を聞きながらも行ってしまうことが原因です。
医療現場のSOAPは問題指向型の診療録を指します。
結婚教育でのSOAPは結婚教育的問題解決型思考を指します。
問題指向でも診療録でもありません。
じゃあ、SOAPという呼び名を「結婚教育的問題解決型思考」に変えたらどうですか?というご意見もコメントシートにいただきましたが
過去にSOAPに関わられた医療・介護経験者は1〜5期の71名の受講生の中で5人という数となります。
であるならば、一般の方々が「結婚教育的問題解決型思考」というより「SOAP」という方が近寄りやすいのではないでしょうか。
例えば、結婚教育の柱であるフロー理論は、辻秀一先生の実践的辻メソッドを用いておりますが
チクセントミハイのフロー理論の応用が辻先生の作り上げられたフロー理論と言えるでしょう。
しかし、そこでチクセントミハイのフロー理論と辻メソッドのフロー理論を比較し、あれやこれやと考えるのは、チクセントミハイの心理学を知っている人だけで、一般的な方は新しい目と心と頭でフロー理論を取り入れていきますよね。
それと同じで、結婚教育的問題解決型思考 という漢字12文字より SOAP とみんなが気楽に呼び合うことに比重を置いています。
また、このSOAPの編集スタッフに佐藤ちえ相談員がおりますが、彼女は某国立大学看護学部出身なので、医療職の立場でSOAPも極めております。しかし彼女曰く結婚教育のSOAPは、医療現場のSOAPの応用ではあるが、医療現場のSOAPと結婚教育の行うSOAPは大いに異なると語ってくれています。
結婚教育は医療とはかけ離れた全く新しい耳で違うものとして聞いていただき、そこよりも、どんな心の状態で、ご相談者にどんなアセスメントができるのか?ここに重きを置いていただきたいと考えています。
また、ゴードンの11の健康パターンを参考にデータベースを応用して使わせていただきますが
ここで何より申し上げたいのは、ゴードンの健康パターンのお話がしたいだけではなく
・情報をご相談者さまよりいただくことに意識を持つ
・不十分な情報だけで容易に考察を進めていかないことの必要性についてご理解をいただきたいと考えております。
これから夫婦関係の相談に応じる方々は、医療職や法律の専門家や経験者ではありません。
民間の認定資格の中で得た知識やご自身の経験から夫婦や親子、家族問題の相談員をスタートしていかれる方は世の中にたくさんおられます。
しかし、不十分な情報(データ)を基にご相談を進めていかれているが故に個別性に応じたご相談まで深まらず、相談者の相談者ジプシーが始まることになる傾向性が少なくはありません。言い換えれば相談員のもとに再度、ご相談に来られる方が少なく単発相談で終わる傾向性が強いということです。この事は、相談をする側受ける側相互にプラスの影響は生み出しません。
SOAPの授業では、様々な枝葉末節、過去の情報にこだわられることなく、この授業を通し、本当に抑えないといけないことに着眼していただく必要があります。
結婚教育では、問題点を分析して終わりではなく、その後の分析した結果、どのように考察し、その相談員の考察が、自分自身の過去からの意味づけや理屈で終わることなく
何よりご相談者の未来に希望や光がみえてくるのか?というところに着眼をして考える癖や習慣が大切になります。
その問題を科学的に分析して、そこで終わりではなく、あなたの考察から全てが始まるのです。
その考察そのものには、相談員の人生そのものが如実に物語られています。
そこに必要なのは、幅広い知識と教養、また常に慢性的にフローであるかということになります。
フローの価値の重要性、それが最も現れるのがSOAPのアセスメントの中なのです。
SOAPの課題のクリアは今まで容易ではありませんでした。そこで症例集を先輩相談員の協力のもと作成いたしました。
ぜひ今回、しっかりと取り組みをしていただき、認定までフローの風を吹かせながら取り組んでいただきたいと思います。