前頭葉側頭葉萎縮型認知症 | 真美のブログ

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介護の話を書いていた筈が母の死と共に介護から話題はそれ、母から託されたコーラスの話や気分転換に始めた声楽レッスンの事その他諸々徒然なるままに書いています。気まぐれな内容ですのでどうぞご容赦を<m(__)m>

母はお馴染みのアルツハイマー型認知症の他に2つの認知症状があると言われた。
その一つが言い間違いが多くなる前頭葉と側頭葉の萎縮による症状。似た言葉に言い間違えるのが特徴で、MRI等を撮ると、右利きならば左側頭葉、左利きならば右側頭葉が萎縮するらしい。

 

母の場合、電話も電車も‘デンキ’と言う。それ以外に言い間違いをする単語は覚えが無い。
その頃にはかなり進行していたので、発する言葉が少なくなっていた所為かもしれない。
電車を見ると「最近デンキに乗っていない」等というので、あれ?と思うことがよくあった。電話も同様。ずっと充電器から外しているなどして、バッテリー切れで通話が出来なくなると「デンキが壊れた」と言う。
CTだかMRI検査だかを受けて、医師からそういった言い間違いが無いか訊かれ、その原因を知ったように思う。
‘知って納得’だった。余談ではあるが、近頃自分で同じ様な言い間違えをする事がある。その度にどきっとする。あまり頻繁に言い間違いをするようになったら、お嫁ちゃん先生に相談せねば、と思っている。

 

別の症状で、飽きやすい、周りに同調できない等の被社会的行動が目立つ。母は大好きだったコーラスの練習に直ぐに飽き、途中でボイコットするようになった。テレビなどを見ていてもすぐに飽きてしまう。順番を待っていられないということも目立った。
同じ行動を繰り返す、と言うのも症状の1つにあるらしい。
例えば何か一言言うと、ずっとその言葉を繰り返すとか、手や机を叩き始めると止まらない。もしかしたら、通院の度、ここは何処かと繰り返し訊ねるのもこの病気の所為なのかも知れない。

 

毎日の生活で必ず同じ行動をとる、と言う症状もあるらしい。母の場合は散歩と称する外歩きがこれにあたるかもしれない。
1日に何度も外に出る。朝起きた時、食事を終えた後など、必ず外に出る。日中などは駅近くまで行ってしまうこともある。けれど迷子になることは無い。
ここがアルツハイマーとの違いらしい。外を出歩いても必ず帰ってこられるから、一般的に知られている徘徊とは異なり、もしかしたら認知症とは気付かないかもしれない。
母は散歩コースが幾通りかあったが、どのコースを歩くにせよ、帰れなくなることはなかった。
今は施設内を彼方此方歩き回っているようだが、必ず自分の部屋に戻っている。
この繰り返し行動は無理に止めたりしない方が良いらしい。一緒にいると辛抱強さがかなり要求されるかもしれない。

 

このタイプの認知症は人格に影響が出るため、性格が変わることがあるらしい。主治医によく訊かれたのが、乱暴になったりしないか、と言うことだった。
凶暴になるか、温和しくなるかは五分五分。幸い母は症状が進むに連れ温和しくなり、気が強かった昔が嘘のように今は扱いやすい。

 

私達素人はつい‘認知症’と一括りにしてしまう。極端な場合、認知症や、単なる物忘れさえ、‘アルツハイマー’と言う人もいる。
けれど、一口に認知症と言っても様々な種類があり、それぞれ微妙に症状が異なる。高齢化が進み、認知症患者が増える中、家族が発症した時、或いは自分が発症した時に備えて、少し勉強しておく方がいいかもしれない。
少しでも家族がお互いに過ごしやすくするために。