愛知県豊明市からこんばんは。
自家焙煎珈琲豆散人アルジです。
7月3日涙の日は定休日。それを知らずに視たのが英国映画の「生きる LIVING」。
黒澤明の「生きる」のリメイク版だそうですが、原作を視ていません。カズオ・イシグロの脚本。
時代は50年代、舞台はロンドンあたり。市民課の課長ウィリアムズは、陳情書をたらい回しの上で放置する事なかれ主義の権化のような役人。ある日、癌で余命半年から9カ月という宣告を受ける。
それもショックなのだが、よく考えると今まで人生をちゃんと生きたことがない。生きるとはどういうことだっけ? とりあえず、役所を無断欠勤して貯金の半分を下ろし、リゾート地に旅に出る。そこで出会った売れない劇作家とともに飲んで踊って遊ぶ日々。生演奏で歌ったのがスコットランド民謡の「ナナカマドの木」。両親のルーツがスコットランドなので。
市民課の若い女性職員マーガレットは、レストランの副店長を目指して転職するところ。ウィリアムズは彼女を高級レストランに誘ったりして話すうち、若さゆえの積極性や希望に感化される。
役所に戻ったウィリアムズは、下水道の汚水があふれ出して困っている場所をきれいに整備して子供たちの遊び場にしてほしい、という近隣夫人たちからの度重なる陳情に正面から取り組む。
という映画。余命何ヶ月系の映画は苦手ですが、これは後半泣きっぱなしでドライアイ予防にも良かったです。
雪の降る夜中、完成した遊び場のブランコに揺られながら「ナナカマドの木」を歌うシーンが感動的でした。
調べたら、黒澤明の「生きる」は1952年の映画でした。その同じ時代設定にしたのも良かったと思います。現代でも通じるテーマではありますが、今の日本人が「生きる」を観るような感覚で観られるようにしたかったのかもしれません。
そういうところも面白く感じました。