京都盆地を取り囲む山々で構成された全長約80キロの、地元民が気軽に利用する山歩きコース『京都一周トレイル』。東南、伏見から比叡山、大原、鞍馬を経て、高雄、嵐山、苔寺に至る、京都市街の眺望を楽しみながらめぐる山歩きコースで、ガイドブックも多数発行されています。地元民にとっては手軽に登山を楽しめる、比較的難易度の低い山歩きコースですが、最近では山歩きだけにとどまらず、トレラン大会も開催され、全国的にその知名度も上がっています。
それぞれの山を単発で登る機会はあっても、京都一周を縦走することは今までなかったので、以前から一度京都一周トレイルを踏破してみたいな、と。
今回は前回からの続き →
スタート直後、コースは叡電線路を跨いで進みます。周辺には集落もあり。
しばらく、比較的勾配のあるつづら折りの山道を進みます。
登り切ったあたりにある『夜泣峠』に到着。
昔、幼少の惟喬(これたか)親王が、乳母に抱かれて二ノ瀬に出る時、ここで一夜を明かされたが、親王が夜泣きをされたため、この峠にあった地蔵さんに願をかけたとたんに泣きやまれたことから命名されたとか。案内板の上にお地蔵様が祀られていました。
ここから尾根道で気持ちのいいコースが続きます。
標高426mの向山山頂。
烏丸通りの延長線上に位置する山。京都夏の風物詩・五山送り火で江戸時代ごろまでは『一』『蛇』『竿の先に鈴』『長刀』などがあったと言われている。
北山杉の木立の素晴らしい景観の尾根道を行きます。
下り切った場所に洛北発電所。明治41(1908)年10月に竣工した水路式の発電所で、賀茂川支流の静原川と鞍馬川からの水を水圧鉄管で導き発電。今も稼働しているみたいです。
このあたりは『盗人谷』と言われる場所で、すぐ先にある氷室の氷を盗む盗人の話の落語になっているそうです。
登り切った場所『小峠』から下りに。北山杉の景観が見事。
下り切った場所に、鹿除けのフェンスがあり、施錠しながら進みます。
そこからしばらくアスファルトの上り坂が続き『京見峠』へ。標高446mの峠で、平安京造営のため古くからあった杉巨木をほぼ全部伐採して搬出するために造られた山道のひとつ。
京見峠を下り、ハンバーグの名店『山の家はせがわ』を経由して、さらにコースは続きます。
山の家はせがわはいつも人気の洋食店で、この日も行列ができるほど人気でした。画像は以前食べた時の様子。
しばらくわりと道幅の広い林道を上っていくと、京見峠の展望スペース。杉の木立の間から、市内を一望できます。
コースはその池沿いにあり、ここも絶景ビュー。周辺ではテントを張ってキャンプをする人もいましたが、かなり空いていて穴場。なんでも、この周辺の学校に通う人にとっては遠足スポットとして馴染み深い場所なんだとか。
そして、仏栗峠まで急登が続き、そこを境に下り道に。
あとはアスファルトの福ヶ谷林道がしばらく続きます。
そして、ついにゴール地点の高雄へ到着。
この日で大体24㎞、5時間半のコースタイム。まったくの初訪の場所もあり、そして沢ノ池などの素晴らしい景観にも出会え、個人的には京都一周トレイルの中で一番印象的だったコース。
次回は西山コースに突入し、人気観光スポットの嵯峨嵐山界隈を経由して、ゴールを目指します!