賃貸と持ち家はどちらがお得なのか?人生の永遠のテーマです。
雑誌やネットでは税込みのトータルで両者に大きな違いはないというデータもあるそうですが、価値観は人それぞれです。
賃貸の話は少し置いておいて、住宅を購入する際には多額の資金が必要ですが、最近は築古の中古マンションを買って自分好みにリノベーションする事が人気を集めています。駅から近くて安い、自由にリフォームできるという三拍子そろった物件です。カンブリア宮殿でも、リノベ専門の業者が特集されて市民権を獲得しつつあります。しかし、そんなお得な中古マンションですが、雑誌などでは語られない裏話があります。今回は、そんなお話です。
・中古マンションの真実①リフォーム編
中古マンションを買う方の大半が少なからずのリフォームをすると思います。
そんな時に意外と知られていない事実があります。基本的には好みに変更できますが、窓と玄関ドアはリフォームできません。
共用部分という扱いなので、もし変更したい場合は組合の許可が必要です。
マンションで窓<例えば、エコガラス>に変更したい場合、窓の上にさらに窓を上乗せして二重窓にする必要があります。
・中古マンションの真実②最速な光回線は諦めよう
これも地味な話ですが、マンションの場合は個人で光回線を引く事が出来ません。あらかじめ、マンション内に設置してある<物凄く古い場合は無い事も>光回線を共用する事になります。auひかりとかNURO光と言った爆速の回線もありますが、そもそもマンション内に回線が無ければ引けません。戸建ての場合は電柱から直接ですが、auひかりなどはフレッツ光とは違う独自の回線で展開しているので、古いマンションで最速の回線を引けない場合があります。
・中古マンションの真実③積立金不足で修繕できない可能性も
築数十年のマンションになると色々な人が住んでいます。
仮に築30年のマンションなら30代に新築で買った人は60代です。人によっては実家に帰ったり老人ホームに入居して連絡が取れない可能性もあります。マンションの管理は基本的に管理費から賄います。エントランスの清掃、エレベーターの修理。そして、一番大切なのが大規模修繕に対する積立金です。これが積立られていないと、修繕は不可能です。耐震工事や壁面の修繕などが行われないと、安全性はおろか資産価値も低下していきます。
・中古マンションの真実④中古の中古は売却が困難。
相当な好立地で、高額なビンテージマンションならいざ知らず、築30年のマンションは売却は難しいです。仮に築30年のマンションを20年ローンで買った場合、売る際には築50年です。そんなマンションをあなたは買いたいと思いますか?
・中古マンションの真実⑤配管問題
日本のマンションの多くは内配管です。
対してヨーロッパなどのマンションでは外配管が採用されている場合が多いそうです。
これの何が問題かと言うと、内配管の場合は水道や下水がマンションのコンクリートの中のあるので交換が容易ではないという事です。
水道が漏れた、下水が流れない。これだけで大工事です。そもそもが数十年の使用を想定していない背景があります。
部屋のトイレは最新のウォシュレットでも、流れる配管は何十年も前のものだったりします。
ヨーロッパなどの外配管の場合クレーンで配管を外して、新しい配管を取り付けるだけ非常に交換が容易です。
これは欧米のマンションが100年単位の使用を想定している背景などがあるのだと思います。
・中古マンションの真実⑥建て替えは不可能
古くなったマンションの場合、建て替えという選択肢があります。ですが、日本ではマンションの建て替えは実質的に不可能だと考えておきましょう。日本の法律では、マンションを建て替えるためには住民の5分の4の同意が必要です。比率によると、70%以上ですね。日本では建て替えに成功したマンションは殆どありません。話によると数十という話もあります。その殆どが容積率の関係。<5階建てのマンションを10階建てに建て替えて新しく売れた分を原資にする>例えば、10戸のマンションを建て替える際に1億円の費用が掛かったら1戸あたり1000万円の負担です。ローンにさらにその額が上乗せされるわけです。かつ、最低でも2年くらいは賃貸生活です。
30代、40代ならいざ知らず70代、80代の人がその案に賛成するのかは疑問です。
つまり日本の法律では、建て替えは実質的に不可能という事です。
よくあるお得や部屋が綺麗にリフォームできます。という背景には、こんな裏話がある事はお忘れなく。
リノベーションはお得・・それはあくまでセールストークかもしれません。
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