正藍染の藍建て講習会からちょうど一年たって・・想う事。

私が微生物で発酵させる藍染を広めたいと思うのは・・
どうしてだろうか??

 

(藍の葉を干す)

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栃木にある紺邑さんに

昨年の2月19日から28日まで猫のひろし君と車中泊で滞在しながら藍建てを学びに行きました。

 

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その後、本業の合間をぬいながら藍建てをしてきました。
(藍染の材料であるすくもを堅木の灰でとった灰汁のみを使って微生物の力で発酵させて、

藍の色を醸し出していくことを藍建て、地獄建てと言います)


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藍染に興味のない方には、なんか、ややこしいなあと

思われる話だろうなと思います。


私も難しい話を自分の中で理解していくのに、

まだまだ不十分で未熟なところもあり、

当然藍染や藍建てを教えるなんてところまでの

境地にこの先の人生をかけて、のぼれるはずもない・・

しかし、しかし・・

私が好き藍染の方法(発酵させて色を出していく藍建て)は

今や風前の灯・・

 

普通一般の方が思ってらっしゃる藍染は


濃い藍色で他のものと一緒に洗うと色が落ちる、


色移りして他のものが染まる、
汗をかいたりしたら自分も染まる、
藍染の商品は高額で贅沢品で手に入らないなどなど、


一般庶民には藍染は遠い存在になってしまった・・

しかし、しかし・・

江戸時代は庶民の色は藍色だった!はず!

 

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どこの町にも紺屋と言う藍染屋さんが存在していた。
(桶屋さん、鍛冶屋さんも同じだと思います )


そんな感覚で庶民の色になるには、今では無理な時代になってしまいました。


藍染をする材料すくもを作る人が少なくなり
材料が高額になってしまったり、

安易に藍色を出せる技術が広まってしまったからかと思います。

でもこんな素敵な発酵の藍染をこの世から忘れ去られてしまうのは
甚だ悲しいことの一つである。


発酵がうまくいって藍染をした布は 
大変丈夫になり、
色移りや色落ちなどせず、
他の洗濯物と一緒にガンガン洗うことができ、
汗臭かったりする匂いを吸着するのが、かなり防ぐことができたりする。


科学的な根拠はあるのか?
と言われると私はそれを科学的に証明する力がないのです。


しかし、12年ほど一人で「誰でも藍染ができる」という本のコピーを片手に、

すくもを使って藍染をしたいと思い、

半分成功、半分失敗を繰り返していました。


うまく染まった時の藍染は素晴らしい効果を出している事を経験で知っていきました。

 

文献からの学びより先に、体験から実感して、

そのあと文献を調べると藍の効能が書いてあったりして、

 

やはり私が経験した藍染の良さは確かなもんだと思いました。

 

藍の良さを知ってもらうには、

日常使いのおだい布巾が最適だと思うようになり、

 

藍染おだい布巾を販売しながら、

たくさんの人に発酵で染まる藍染の良さを知ってもらいたいなあと

強く思うようになりました。

 

おだい布巾なのに値段が高い!藍染がもったいない!

と言われ続けた藍染おだい布巾も

 

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藍の良さを肌身を通じて感じてもらえるようになり、

リピーターさんが増えました。

一人でコピー本を読んで実践しているときは

石灰、バナナ、水酸化カルシウム ぶどう糖など使ったりしていましたが、

それより堅木を燃やした灰汁だけで色を出す方法が知りたくて、

遠い栃木まで行って習ってきました。


残念ながらその講習会では藍建ての完成を見ることがなく帰ってきたのです。

(その講習会直前に大川先生が亡くなられたのでした。

しかし私は亡くなられらたことを誰からも教えていただいてなかったので

参加してから先生がその場にいらっしゃらないことに気がつき、亡くなられた事を知りました)


私は帰ってから習ったことを忘れないうちに 、すぐに藍建てをはじめました。

 

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すると今まで半信半疑で建てていたころとは

全く違う結果として、すべての藍建てがちゃんと色を出してくれるようになりました。


だからと言って、私は習った通りにできていないこともあるだろうと思うのです。

 

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それでも

結果として
色移りしない、
色落ちしない、
美しい藍色が染液に何度も入れるたびに重なっていく藍の色、
その美しさを確認しながら染めていける手間が喜びに変わっていく藍染。

 

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これは結果としては、よい藍染ではないかなと思うようになりました。

そしてここからが、私独自の考え方になるのですが・・

私みたいな普通のおばさん(発酵と保存食作りが好きな人)が、

家でバケツを使って藍建てをして微生物の力で染めていくことができる 。

 

(長年の藍建て失敗により、大きなバケツが増えていった我が家の庭です)

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この事実は藍染職人さんからほど遠い染の技術ではあるのですが、


家でぬか床を育てて

家族に美味しい漬物を食べてもらえるような感覚と似ているように思うのです。

 

藍を建てて色が醸されても

そのバケツによって、その時によって

藍色がそれぞれ一期一会のようなもので、違います。

 

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そんなぬか床のような、手前味噌のような感覚で

発酵好きの方に藍建てをしてもらうえるような

 

 

きっかけ作りができたらいいなあと強く思うようになりました。


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その思いをどうやったらわかってもらえるかなあと考えています。


失敗覚悟!完璧にできないでも、

 

一緒に発酵をさせて藍の色を醸し出したい人を

 増やしてきたいと思うようになりました。

 

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私の直感ですが、

天然酵母でパンを発酵させて焼いている人、味噌作り好きな人、発酵食品好きな人は

この藍建てがうまくできる様に思うのです。

 

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何の科学的根拠もなく

 未熟な私の実感ですからこんな不信な話・・

誰も信用してもらえないかもしれないけど、

 

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いつか一家に一台、藍建てバケツがある日が来る事を夢見ています。


自分の身につけるもの、家族が身につけるもの、下着やタオルなど身近なものを
発酵させて醸された藍色で染めていける幸せを増やせたら・・

 

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その方法は未来の地球にも優しい行為になっていくはずです。


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こんな話に騙されたいと思われる方は、

一度我が家に家で染める藍染体験会に足を運んでもらいたいと思い、

散らかった家を少しづつ片付けている日々なのです。

 

藍染、藍建てについての私の想いを書いてみました。

 

そんな想いもあって

内輪の内輪で2月2日と2月17日に

小さな藍染体験会を我が家で開きました。

 

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その時の様子もまた書きたいと思います。