終活(修活)コミニュティ・マザーリーフ
(幸せの葉っぱ)主宰の小平です
お看取りの現場から、素敵な訪問看護師さんからのメールです
特別は何もない、人々の生と死があります
何かを感じて頂けましたら幸いです。
前文 → ★
続きです
私は、日常の何気ないフッと出た言葉に真実があると思って大切にしています。
脳梗塞後の麻痺があり、透析で死の淵から生き延びる事ができたHさん。
足浴中に私が、「奥さんはHさんにとってどんな存在ですか?」と問うと、
まるでマネージャーのように熱い介護を続けている奥さんの事を、
「山の神」と例えられました。おまけに小声で、「怖い」と2回程・・・。
「険しい道を制覇する人の例えかなぁ・・・。偉大な神という事かなぁ・・・」と、
奥さんが持って来られた差し湯を受け取り、
「Hさん、“神の湯”ですよ~!」と言うと、奥さんは「まんざらでもない」という感じ。
Hさんは泣き笑い。そして嬉しそう。 賑やかになりました。
ご夫婦にとって、寝たきりで皮膚トラブルに気を遣う毎日は大変な日々です。
週3回、40分かけて透析通院もくじけそうになるほど大変です。
人は強いです。泣き虫のHさんだけど努力家です。
それを一番よく知っている奥さんは、リードするのが上手です。
看護師と協働して、動かなかった右手が最近少しづつ機能回復してきています。
在宅では、その人にとっての「生きた神様」が必要なんだなぁと思えた瞬間です。
義兄(姉の夫)は62歳で在宅療養中。
さだまさしのCDを聴いていた義兄に「関白宣言って、した?」と聞きました。
ずいぶん頭をひねって、「めしは上手く作れ・・・かなぁ。」という答え。
どうやら消去法らしい。(いつもきれいでいられない。俺より先に寝てしまう)
そして、結婚当初から姉の味噌汁が美味しくなかったというカミングアウト。
「でも、他の料理は上手」ってフォローも忘れない。
死を目前にしてのカミングアウト。 姉も悪びれず 「しっかたないじゃん!!」
義兄の優しい笑顔・・・何もかも許してきた義兄と姉の夫婦の歴史。
ネタとしての面白さに大笑いしながら、姉を大切にしてくれている事に感謝しました。
義兄の人柄に背中を押され、「この人を守ろう」と決意しています。
家族の歴史を引き出すことで、お互いの存在の大切さ、愛おしさを再確認する事ができます。
かけがえのない存在を意識した時、看取る覚悟が成熟するように思います。
「お風呂で死にたい」とふと漏らした義兄の願いを叶えるべく、
できるだけ死ぬ前まで入浴できるよう環境調整をしました。
姉に「お風呂で死にたいって言ってたから・・・それでもいいかなぁって思って」って言うと
「あかん!あかん!風呂から上げられない!」って猛反論。
「そこ?」とあまりに現実的な姉の反応に可笑しくなり、
義兄と顔を見合わせ「残念・・・」って笑うと、またいつもの優しい顔で義兄も笑う。
「気持ち良い思いのままで死にたい」そんな義兄の願いは、
冗談でもない、本気でもない。でも、心にフッとよぎった想い。
揺れる想いと希望の中で、 今日も義兄は懸命に生きています。
なんか、ちょっとまとめておきたくて書いてしまいました。
看護師っておもしろい仕事です。
小畑 雅子
自分の最期の時、自分の大切な者の終末期に
こんな素敵な方に看取られたら・・・
これも自身の生き方が引き寄せるのでしょうか?
そんな事を思うと
まだまだ死ねない、生の軌道修正痛感します
笹井さん、
小畑さん、こんな素敵なメールを有難うございます