この辺りも一軒に一匹は犬がいて、きちんとゲージに入れられ『飼われている』という分類に入る犬はほとんどが小型犬だ。
ダックスフント、ポメラニアン、ミニチュア・ピンシャー・・・
でも散歩をしている姿はお目にかかったことがない。
残りの「犬たち」は小さい頃は可愛い~なんて子供に遊ばれていたのだろうが
大きくなってからは「野犬」ではないが、それに限りなく近い状態だ。
なぜ「野犬」に近いかという理由は、家こそあるが繋がれてはいない状態で
「野放し状態」だからだ。
とりあえず、雨が降ったりしたときに凌げる場所があって残り物のご飯を与えられている状態。
とても可愛がられているとは思えない。
番犬にはなるのだろうが、きちんと飼っている人からしたら迷惑な状態。
夜になると「ウォ~~~ン」と鳴きながら徘徊している彼ら。
お供えに添えられた菓子やご飯を拾って食べている。
ゴミ箱だって漁っちゃうよ。
その点、我が家の息子は日本では今でこそ珍しくはないが、ここでは散歩をしていれば
「ゴールデンだ~」って囃したてられる。
最近、小型犬を四匹飼っている人が越してきて、その犬たちがこれまた放し飼いなのだが
ジャッキーが通りかかると歯を剥いて追いかけてきて、尻尾を噛もうとするほどのやんちゃぶり。
飼い主もこれまた迷惑な性格で、こっちが尻尾を噛まれているのにも拘らず
「チコ、チコ~・・・アワス、アンジンブサール・・・」訳=「チコ、アブナイ・・・大きい犬よ!」って呼び戻す。
「はぁ?」ってことでしょ!
こっちはなんもしてないよ、追っかけてきて尻尾噛もうと騒ぎ立ててるのはおたくの犬だよ!
そんなこともあってその家を通る散歩コースをやめることにした。
それで最近、別の方への散歩コースに変えたのだが、その通り道に小さなお店がある。
食材やジュース、調味料などを売るバリ特有のよろず屋だ。
そこの1歳半の男の子がジャッキーが通るとすっごく嬉しそうにはしゃぐのだ。
店番をしている母親が「こっち、こっち!」と呼んでくれる。
行くと子供は大笑いしてジャッキーに触りたくて、暴れるのだ。
ミコがジャッキーが嬉しくて暴れないようにリードを短く持って近寄ると
子供は足をバタバタさせて大喜びなのだ。
今日も行ったら子供はいなかったが、母親が「こっち!」と言うので寄ってみると持っていたお煎餅をお裾分けしてくれた。
ママが「ドゥドゥック、サラム=お座り、お手」をさせ、食べさせているのを見て更に驚き袋に入っているお煎餅を次々と与えてくれる。
買えば20円ほどのお煎餅だが、店にしたら売り物だ。
日本ではジャッキーほどの犬はちっとも珍しくない。
もっと賢い子や、珍しくて可愛い犬もたくさんいる。
でもここではゴールデン・レトリバーであることや少し芸ができるだけで持て囃される。
得な子だ・・・
もっといろんなことを出来るように小さいころに躾ておけばよかったとは思うけど
特に悪さをするわけではないし、これで充分!
実家にて・・・
我が家にて・・・