ヘイの祖父は 杖に頼りながらも
しっかりと背筋を伸ばし テギョンを見つめると
「さぁ お前の望みを叶えてやる
私が 病魔に殺される前に お前がその手で殺せ
・・・ 早く ファランのところに行かせてくれ ・・・」
そう言って 口角を上げうっすらと微笑む
そのまま 立ち尽くすテギョンに
「どうした？
今は人払いをしているが そのうち 私のことを探しに誰かくる
その前に やってしまえ！
お前は復讐がしたくて この会社に入り
私に近づくために ヘイと婚約したんだろう？」
そういいながら ヘイの祖父は
一歩一歩踏みしめるように テギョンへと近づいてくる
「なぁ ・・・ なんであんたは 母さんを捨てたんだ？
俺は一時期 あんたを本当の父親だと思っていた
一緒に暮らしていないのは 仕事が忙しいからだと聞いていて
それでもあんたは １週間も開けることなく 俺たちの家に来ていた
そう ・・・ 最後の数年間は 一緒に暮らしていたよな？」
テギョンの言葉に ヘイの祖父は参列者席に腰を下ろし
大きく息を吐くと 語り始めた
「ファランは若いころ 歌手として
ホテルのラウンジなんかで 歌を歌っていた
初めて会った瞬間から 心を持っていかれたのは
後にも先にも ファランだけだ
ファランは美しく 歌声は私の心を癒してくれた
まぁ その頃の私には 政略結婚とはいえ 妻も子もいたが
一時期は すべて捨てて 一緒になろうと思ってたもんだ
後で聞いた話だが
私の妻が ・・・ 妻は大物国会議員の一人娘で 苛烈な我儘お嬢様でな
ファランに裏で 相当な嫌がらせをしていたらしい
そして ・・・ テギョン お前 一度誘拐されたことがあっただろう？
あれは 妻の差し金で 妻は私とファランを別れさすために
本気でお前を殺そうとしていた
お前とファランを守るために 別れようと思った
そして お前たちが私を憎むように 捨てるという形をとった
悪いのは 私だから ・・・ な ・・・」
「そんな 芝居がかった言い訳なんて 聞きたくない！」
テギョンは ジャケットからナイフを取り出し
ヘイの祖父の首元に その刃先をピタリとつけ
「あんたに捨てられてから 母さんは 俺を育てるために苦労したよ
今考えると いろんな仕事を転々としていたのは
あんたの奥さんのせいでもあるんだろうな
結局 最後は夜の街で働いていた
そして 酒に溺れていったんだ
・・・ 全部 あんたのせいだ
だけど あんたに復讐しようと思った一番の理由は
あんたが 母さんの葬式で言った言葉だよ！！
あんた ・・・ 葬式に一緒に来ていたヤツに
何て言ったか 覚えてるか？」
「ファランは ・・・ 確か 車にはねられて死んだと聞いて ・・・
・・・ それについて 秘書と話したような記憶があるが ・・・」
ヘイの祖父の答えに テギョンは
ナイフを持っていない方の手を握りしめ
ドン！と 参列者用のベンチを叩くと
「あんたはな
『酔っぱらってフラフラ歩いているから 車道に出て車になんかはねられるんだ
・・・ まったく 馬鹿な女だ』
って 言ったんだ！
母さんは 確かに酒は飲んでいた
だけど いつも身に着けていた あんたからもらったイヤリングを落として
それを拾おうとして 屈んだ時にバランスを崩して 車道側によろけたんだ
あんたが 母さんを守りきれたなら
あんたが イヤリングなんて贈ってなかったら ・・・ くっ ・・・」
唇をかんで 俯くテギョンに
「だから ・・・ 殺せと言っているだろう
そのまま ナイフで頸動脈まで刺せばいい
どうせ 先の見えている命なんだ
最後の瞬間は お前の気のすむようにして良いと言っているのに ・・・
度胸が無いのは 母親譲りだな」
ヘイの祖父は
首元のナイフを握っているテギョンの手に 自分の手を重ね
グッと力を入れる
ナイフの刃先が少し肌に沈み
・・・ つぅーっと 一筋血が流れた
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お付き合いありがとうございます。
ヘイ爺 殺される気 満々ｗ
ってか ここを書きたくて
ここをもっとシリアスにしたくて 前半おっぺけにしたんだけど
おっぺけが長すぎて なんかシリアスが浮くわーｗｗ
いろいろとツッコミどころ満載でしょうが
そこは ご都合主義ってことでｗｗｗ
ファランさんってさ 愛人とか似合いそうじゃない？
そして あの歌声で テレサ・テンの 「愛人」とか「時の流れに身をまかせ」とか
歌って欲しいわーｗｗｗｗｗ
「つぐない」も捨てがたい♡
球春到来！
３月末から始まったプロ野球のシーズンですが
獅子オンズの本拠地は 今日から試合開始です
さぁ 参戦するわよー☆
