「コラテラル」〔監督マイケル・マン 120分)
話の内容は、殺し屋に振り回されるタクシー運転手のお話
最初の殺し屋ヴィンセントが、空港の人混みの中でカバンを交換して、殺しのターゲットのデータが入ったパソコンを手に入れる、というのがスタイリッシュだった
タクシーの客の美人の検察官のおネェちゃんといい雰囲気になる、タクシー運転手のマックスが良かった。おネェちゃんがマックスに連絡先を教えるというのも良かった
タクシーが走るシーンを、高い所からビルの隙間を走るタクシーを俯瞰で撮ったり、タクシーの斜め後ろからタクシーが走り出すシーンを撮ったり、工夫しているのが良かった
マックスがヴィンセントを殺し屋と知らずにタクシーに乗せて、金払いも良く良い客だと感じて、タクシーの車内で飯を食っていたら、ヴィンセントの殺した死体が上から落ちて来て、タクシーの屋根に落ちるというのが、無茶苦茶オモロかった。その後ヴィンセントに脅されて死体をトランクの中に運び、タクシーに着いた血を洗い流すマックスもコミカルだった
警官のパトカーにタクシーが止められ、凹んでフロントガラスにヒビが入っているのを警官達に不審に思われて、警官達がタクシーからヴィンセントを降ろし、警官達が死体の入ったタクシーの後ろのトランクを開けようとして、ヴィンセントが銃を握った時に、警官達が無線で呼び出され、警官達がパトカーに乗って去って行く、緊迫感のある演出・撮り口がオモロかった
2人目を殺す時にヴィンセントがマックスの両手をハンドルに縛りつけて動けなくして殺しに向かった後、マックスは必死でタクシーのクラクションを鳴らし人を呼ぼうとして、ようやくクラクションに気づいて人が来てくれたと感じたらそれが強盗で、ナイフを突きつけて手が縛られているマックスから財布やヴィンセントのカバンを奪って行くという、マックスの泣きっ面に蜂状態の演出がコミカルだった。その強盗をヴィンセントが速攻で射殺するのはスカッとした
タクシー会社からの無線で、タクシー会社のボスがマックスに、タクシーが凹んだ修理代を払えと言ったら、ヴィンセントが割って入ってきて、自分の酷さは置いておいて、保険がおりるのに従業員に修理代を強要するのは酷いと正論を言うのがコミカルだった。そしてヴィンセントがマックスを脅して、マックスにボスに対して悪態つかせるのもコミカルだった〔この時のヴィンセントは酷い殺し屋なのに良い奴と感じるのがコミカルだった)
ジャズバーのジャズの演奏シーンが良かった。マックスと飲みに来ただけかと感じたら、店のオーナーが殺しのターゲットで、マイルス・デイビスのクイズを出して答えられなかったオーナーを射殺するというのもオモロかった〔それまでジャスの話で店にマイルス・デイビスが来た事があるとか、話が盛り上がって和気藹々とした雰囲気だったのに、いきなり射殺して殺伐とした雰囲気になるギャップが無茶苦茶オモロかった。ちなみにマイルス・デイビスはどこでジャズを学んだか?のクイズの答えは、音楽学校で学んだではなく、チャーリー・パーカーの助手として3年間修行したという答えだった)
マックスの母親の入院している病院に、いつも通り見舞いに行くよう強要するヴィンセントがコミカルだった。エレベーターで州の刑事と乗り合わせたり、母親が「銃を突きつけないと見舞いに来てくれない」と今のマックスの状況を言い当てたり、マックスが病院から走って逃げ出しヴィンセントが走って追うシーン〔病院の階段を駆け降りるシーンや車道の上の真っ直ぐな歩道橋を走って逃げるシーン、なんかが良かった)があったり、マックスがヴィンセントのカバンを歩道橋から車道に投げ捨てて、走ってる車にカバンがあたって中の物が散乱するシーンがあったり、したのが楽しかった。最後タクシーの車内でヴィンセントが自分の親の話をした時に、父親は自分が射殺した、とホントのようなジョークを言うのもコミカルだった
ヴィンセントに脅されて、マックスがヴィンセントになりすまして、殺しの依頼主から再び殺す相手のデータを貰って来るというムチヤぶりが楽しかった。そして依頼人のマフィア達からもFBIの捜査官達からも、マックスがヴィンセントだと勘違いされるのもコミカルだった。ナントカヴィンセントが言っていた事をマネて、マックスがヴィンセントになりすまして、殺す相手のデータをマフィアのボスから貰う事に成功するというのもオモロかった
そしてフィーバーというディスコでの、大勢の人が踊ってる中での銃撃戦の、騒然としたアクションが楽しかった。その騒然とした中でもヴィンセントはきっちり殺しのターゲットを射殺し、マックスは2人を追っていた州の刑事に保護されてようやくヴィンセントから離れられて助かるか?と感じたら、ヴィンセントが州の刑事を射殺してマックスにタクシーに戻って乗るよう強要し、再びヴィンセントとマックスがタクシーに乗って逃げる、というのもオモロかった。州の刑事は、アルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」の刑事のように、これで助かるか?と感じたらあっけなく殺される役回りだったなぁとボクは感じた
マックスのタクシーを追う為、FBIのヘリコプターも出動して飛んでいる、大掛かりな空撮シーンがあるのも楽しかった
タクシーの中で、マックスはヴィンセントに「人に対する思いやりや共感が欠落している」みたいな事を言い、ヴィンセントはマックスに「今までの人生やりたい事を何もしないで無駄に過ごしてきた」みたいな事を言って、言い合いをするのが良かった。そしてマックスが「失う物は何も無い」と言ってタクシーを暴走させ、赤信号を無視したり、荒い運転をしたり、最後はタクシーを横転させて、ようやくマックスがヴィンセントを追い払うのに成功する、タクシーの暴走シーンも楽しかった
横転しているタクシーの中のヴィンセントのパソコンを見たら、次の殺しのターゲットが意気投合した検察官のおネェちゃんだったと分かり、マックスが事故で駆けつけた警官を倒して銃を奪い、歩いている人のガラケーを奪って検察官のおネェちゃんに連絡すると、急に積極的にマックスが動き出すのがオモロかった
ヴィンセントが検察官のおネェちゃんを殺そうとするのをマックスが助ける、最後のマックスとヴィンセントの対決が無茶苦茶オモロかった。ヴィンセントがおネェちゃんの部屋に侵入するが、おネェちゃんは資料室にいて助かる、マックスのおネェちゃんへの電話が資料室に転送されてる事にヴィンセントが気づく、マックスはゴミ箱を投げてマンションのドアガラスを割って入ろうとするが強化ガラスで割れず、拳銃を2発撃って強化ガラスを割りマンションに入る、ヴィンセントは地下で電気の配線を斧でぶっ壊してマンションの電気を使えないようにする〔斧はD.W.グリフィスの「散り行く花」をボクは思い起こした)、電気が切れて真っ暗な資料室にヴィンセントの影が近づいて来る〔アルフレッド・ヒッチコック監督の「裏窓」の最後の怖さをボクは思い起こした)、ヴィンセントがおネェちゃんを見つけ銃を向けた時にマックスが問答無用でヴィンセントを撃つ、エレベーターで降りて逃げるマックスとおネェちゃんと撃たれて血を流しながら階段を駆け降りて追いかけるヴィンセント、地下鉄に乗って逃げたマックスとおネェちゃんがようやくヴィンセントを振り切ったかと感じたら、ヴィンセントが走ってる地下鉄の最後尾にしがみついてるのが分かる、走ってる地下鉄車内を逃げるマックスとおネェちゃんが駅に着いて降りようとするが、ヴィンセントがホームに降りて銃を構えているので降りられない、最後は地下鉄の連結部分のドア越しのヴィンセントとマックスの撃ち合い、最後はヴィンセントが「地下鉄の中で人が死んでいても誰も見向きもしない」と、人が死んでも大した事ではないと以前ヴィンセントが言っていたセリフを言って地下鉄に乗りながらヴィンセントは死ぬ決着、なんかがとても良かった
最後マックスとおネェちゃんは地下鉄を降り、死んだヴィンセントを乗せた地下鉄がゆっくり走り去って行くラストも、ボクは味わいがあって良かった
全般的に
殺し屋に振り回されるタクシーの運転手というストーリーも楽しかったし、ヴィンセントが検察官のおネェちゃんを殺そうとしているのを知って、今度はマックスが積極的に行動してヴィンセントをやっつけおネェちゃんを助けるという、受け身と積極的な行動とのコントラストも無茶苦茶楽しかった
アクションも、ディスコで沢山の人が踊ってる中での銃撃戦も楽しかったし、最後マンション・地下鉄でのマックスとヴィンセントの対決も楽しかった
夜タクシーが走るシーンも、工夫して撮られているのも良かった
マックスが、マフィアからもFBIからもヴィンセントとして追われる、というのも楽しかった
ヴィンセントとマックス、登場する人物のキャラも楽しく、久しぶりに最近のハリウッドの娯楽アクション作品で楽しく観れた、マイケル・マン監督の傑作ハリウッド娯楽アクション