「ラスト・シューティスト」〔監督ドン・シーゲル 99分)

話の内容は、時代遅れのガンマン、J.B.ブックスの最後の1週間

壮大な山をバックに、馬に乗って独りでやって来るブックスのオープニングシーンが良かった

ブックスの武勇伝の回想シーンの中に、「リオ・ブラボー」〔監督ハワード・ホークス)のコロラドがライフルを投げ、コロラドとチャンスが一瞬の内に相手3人を射殺するガンアクションが入っていたのが嬉しかった

「財布を出せ」と言ってきた強盗に、財布を出して投げながら銃を抜き、強盗を撃つアクションが楽しかった

ジェームズ・スチュワートの医師役での友情出演が良かった。痛み止めにアヘン入りのアヘンチンキを処方するのも良かった

ローレン・バコールが、凛としたおばぁちゃん役で、いい味出していた

馬屋の黒人が、ジョン・ウェインが伝説のガンマンブックスと知って、ギロムと酒を飲みながらオドけるシーンがコミカルだった

保安官がおっかなビックリ、ブックスのいるロジャース夫人の下宿に訪ねて来るのが印象に残った

ケーハクな新聞記者にブックスが銃を突きつけて新聞記者に銃口を口で咥えさせ、新聞記者のケツを蹴って、下宿の建物から追い出すシーンが楽しかった

馬で走るレールの上を走る列車に、ブックスやギロムが乗り降りするシーンが良かった

ブックスとロジャース夫人の馬車デートが楽しそうだった

ブックスに兄を殺された男が、自動車に乗って、馬車に乗ったブックスとロジャース夫人と話し合うというのが良かった。自動車に乗っているというのが良かった

酒場のカードゲームのディーラーが凄腕のガンマンで、酒場の端から端25メートルの距離があるのに、撃ってきた相手の心臓を正確に撃ち抜く、酒場でのガンアクションが楽しかった。最初にバーの入り口から奥のカードゲームのディーラーがいる所までカメラを横移動して撮り、酒場が広いのを示す撮り口と広い酒場全体を使ったガンアクションが楽しかった

夜ブックスの部屋に奇襲をかけてきた2人をブックスが射殺するガンアクションが楽しかった。カーテンに敵の影が映る。ベッドに寝かした身代わりの枕を敵が撃ってる時にブックスが敵を射殺し、窓ガラスを割って敵が部屋の中に倒れ込んで来る。なんかが楽しかった

ブックスが黒人の馬屋に馬を売る時の、黒人の値切りがコミカルだった

ブックスがギロムに銃の撃ち方を教えるシーンが印象に残った。木の幹めがけて発砲し、木の幹についた弾痕を確かめるというのが良かった

下宿の奥からロジャース夫人がピアノ弾きながら歌ってるのが聴こえてきて、ブックスが歌の聴こえてくる方に移動する撮り口が良かった。ローレン・バコールの歌も良かった

ブックスの昔の恋人が訪ねて来るが、ブックスの自伝を出して金儲けするのが魂胆で、それをブックスが断ると、悪態ついて出て行くというのがコミカルだった

床屋での、ブックスと葬儀屋とのやり取りがコミカルだった。葬儀代をとらないのは、ブックスの墓を見世物にして、見物客から見物料を取って儲けようという魂胆だとブックスが見抜き、墓を作るのに金を払うどころか50ドル請求するというのがコミカルだった。そして髪を切り終えた床屋の主人が、今のブックスと葬儀屋のやり取りは面白く、ショーにしたら10ドルくらいの価値はあったので散髪代は要らないと言い出すのも楽しかった

最後、馬もギロムに譲り、墓石も用意して、髪も切り、きちんとクリーニングかけた服を着て、酒場での3人との銃撃戦に向かうブックスが良かった

最後の酒場での銃撃戦の、撃たれてカウンターの酒瓶がガッチャンガッチャン割れる中、カウンターに飛び込んでカウンターに隠れ、酒瓶投げて相手の気を逸らせた時に1人目を射殺し、ブックスが撃たれながら酒場の丸テーブルを盾にして近づいて来る2人目をテーブルを撃って弾がテーブルを突き抜けて当たって射殺し、最後3人目に遠い所から撃たれ、3人目がカウンターの外側越しに回りこんで来るが、カウンターの上に置いてあったグラスに3人目が回りこんでるのが映り、カウンター横から撃とうとする3人目をブックスが待ち構えて射殺する、ガンアクションが楽しかった

3人倒してホッとしたブックスを、酒場の店主が背後からライフルで撃つ。ブックスの銃をギロムが抜いて酒場の店主を射殺するガンアクションも味があって良かった

死んだブックスの顔に服を掛け、ヤジ馬達が酒場に集まって来る中1人酒場を去って行くギロムの撮り口も良かった。そしてギロムがロジャース夫人の待ってる馬車に乗り込むラストも良かった

全般的に

アクションは少なめだが、時代遅れのガンマンブックスの厄介者感や、関わる人達とのやり取りのコミカルさ、が味わい深く、ボクは楽しんで観れた

ジョン・ウェインの遺作にふさわしい、味わい深さのある「時代遅れの西部劇」


「犬王」〔脚本 野木亜紀子 98分)

話の内容は、目の見えない友魚と異形の怪物犬王がバンドを組んで、友魚が琵琶で演奏し、犬王がダイナミックに踊って、人気を博す話

友魚が荷車の荷台の角材に乗って移動するシーンが印象に残った

友魚は目が見えないので、色々な音が聞こえるというのが良かった。特に米粒が地面に落ちる音、その落ちた米粒に雀達が集まって来て食べる音、を映像で撮るのが印象に残った

犬王の面の穴越しに見える、犬王目線の撮り口が楽しかった

目の見えない友魚と異形の犬王がセッションし、友魚の琵琶の演奏で犬王が異形の身体を活かしダイナミックに踊る、というのが良かった

犬王の踊りと友魚の琵琶演奏が、どんなんかなぁ、と期待していたら、ロックバンドのように琵琶をかき鳴らし、隣には火を吹く男がいたり、最初の「腕塚」の犬王の踊りも片方だけ長い腕を使ったダイナミックな踊りを期待していたがそれ程ダイナミックでなく、期待はずれだった。観衆と一緒に歌い踊るという観衆を巻き込んだライブパフォーマンスというのも、なんか軽かった

次の「鯨」の、両端に火のついた棒を振り回す踊り、ブレイクダンス、観衆達も歌い踊り出す、光った鯨がスクリーンに映し出されるなどあったが、ボクはオモロくなかった

全国ツアーも、それ程オモロいシーンは無かった

最後の将軍の前でのパフォーマンス披露で、建物の手すりで新体操の平均台の演技のような踊りをしたり、光の帯を使った新体操のリボンのような踊りがあったり、皆既日食で暗くなったら光る龍が出て来たり、カラフルなライトを浴びて演奏したり踊ったりしていたが、ボクはあまりオモロくなかった

犬王が平家の話を踊りで人々に伝える毎に、徐々に呪いが解け、異形が治ってゆき、最後の踊りで犬王が仮面を脱いでも、醜い顔でなく、デーモン小暮のような化粧をした綺麗な顔が現れるというストーリーの設定もボクはビミョーだった

犬王が異形で生まれてきたのは、父親が呪いの面を被り、新しい平家の物語を自分のものにする為琵琶法師達を次々と殺し、それでも足りなくて、生まれてくる犬王を呪いの仮面に差し出して、今の踊り手としての地位と人気を手に入れたからという設定が最後に分かるのはアハ体験だった。最後呪いの仮面に犬王の父親が犬王を殺してくれと頼み、呪いの仮面は犬王でなく、犬王の父親を殺すというストーリーは良く分からなかった

犬王と友有が人気絶頂のハッピーエンドで終わるのではなく、将軍から歌を禁止され、犬王は将軍に従って生き延びるが、友有は逆らって首を切られる、というのも後味が悪かった

最後の600年後の現代で、友有と犬王が出会い、再び演奏して踊るのは、蛇足だとボクは感じた

全般的に

最初の方のストーリーの、友魚は目が見えず、犬王は仮面の穴からしか世の中を見れない、「制限」があるシーンの撮り口とかはなかなか味わいがあって期待が高まり、最初の目の見えない友魚の琵琶演奏で異形の犬王が異形の身体を活かしてダイナミックに踊るシーンも、「弱みを強さに変える演出」でとても楽しかったので、これからどんな凄い演奏と踊りで人気者になっていくのか?期待していたら、ロックバンドのライブのような歌演奏踊りで急に「軽く」なってしまって、ボクは楽しめなかったのが残念‼️だった

肝心の歌演奏踊りをボクは楽しめなかったので、作品全体の印象も残念‼️になってしまった

途中までいい感じだったので、本当に残念‼️だった作品











「雪の華」〔脚本 岡田惠和 125分)

話の内容は、余命いくばくもないおネェちゃんが、100万円払って好きな男と恋人契約を結ぶ話

心に思った事を「声に出していこう」というのが良かった

中条あやみみたいなベッピンさんから「100万円払うから恋人になって」と言われるなんて、なんてオイシ過ぎる契約なんだ、とボクは感じた

別れ際に、「振り向いた時にまだ見てて」と注文つける中条あやみが可愛かった

メガネをはずした事に男が気づいてくれて、上機嫌の中条あやみが可愛かった

フィンランドの路面電車はアキ・カウリスマキ監督の「浮き雲」を思い起こした。少し高い所から、路面電車が曲がる時に、窓の中の路面電車に乗ってる主人公2人を撮る撮り口も良かった

旅行来て、ホテルに泊まるが、別室で、柄にもなくプラトニック♪、なのが恋愛感情を高めていた〔観ているボクは欲求不満が高まったけれど)

今までの思い出がフラッシユバックするのは、今時の邦画の恋愛映画のお約束なんだな、とボクは感じた

最後、男が飛行機に乗って、列車に乗って、ヒッチハイクで車に乗って、最後は倒木で道が塞がれているので車を降りて雪道を走って、東京からフィンランドと遠く離れていた中条あやみに会いに行く愛の強さが良かった

最後は、中条あやみの所に男が現れ、2人は結ばれ、中条あやみの持ってた男がプレゼントしてくれたガラス細工にオーロラが映っているのを見てオーロラが出ている事に気づき、念願の赤いオーロラも見る事が出来た、というハッピーエンドも観た後味がとても良かった

エンドロールの、車椅子に座っていた中条あやみを男が抱き抱えて、喫茶「VOICE」の外に降る初雪を2人で愛でるのも良かった。身体の弱い中条あやみを力強く抱き抱えるというのが、愛情の強さが現れていて良かった

最後の中島美嘉の「雪の華」はいい歌だった。その歌の中にエンドロールがおさまるのも良かった

全般的に

昔「100万円あげるからSEXして下さい」という黒木瞳似の奥さんからメールが届いた事があったが、中条あやみが、100万円払うから恋人になって、という契約も、それぐらいオイシ過ぎる契約だとボクは感じた

最後の東京からフィンランドに駆けつけ、見たかったオーロラの下でめでたく結ばれるベタなハッピーエンドは、ベタなのがとても良かった

きちんと恋愛感情が高まる、今時の邦画の恋愛映画