診断までシリーズです。




4ヶ月検診の時のこと、


首の座りが遅いビックリマーク


と指摘され、区で行っている発達外来を受診することになりました。



その頃といえば・・・

ほかの赤ちゃんと比べて、なんだか落ち着きがなく、いつもばたばた動いている気がしていました。
不随運動というよりは、あくまで自分で盲目的に手足を動かしている感じです。


赤ちゃんだからこんなもの??


一人目の子どもで、親戚にも赤ちゃんがまだいなかったので、よくわかりませんでした。




また、
ほかの赤ちゃんは小さいながらも安定感があるのに対し、息子はなんだか不安定でした。

筋緊張の低い赤ちゃんを見たことがない方は、想像がつかないと思うのですが、、


ほかの赤ちゃん⇒座れるテディベアのぬいぐるみ

息子⇒柔らかいパペット人形


と言ったらいいのでしょうか。


くにゃん と胴体が曲がってしまう感じです。




発達外来で指摘されたのは、


軽度の筋緊張低下


でした。


小児科の先生からは、

「いわゆるfloppy infant のお子さん程は軟らかくないと思うよ。良性筋緊張低下症かなぁ。」


「お座りがきちんとできるまでは、経過を診ていきましょうね。」


といわれました。



言葉の解説です↓↓


筋肉がやわらかく、全身がだらんとした赤ちゃんのことfloppy infantと呼びます。

生れつき筋緊張が低下していると、お腹の中でも羊水を飲むことがうまくできず、羊水過多であったり、

出生後も自発運動が少なく、仰向けで寝ると足がカエルのようになってしまうこと等が特徴的と言われています。

原因には 中枢神経や神経筋疾患、代謝疾患、染色体異常などがあります。



多くの患児は、精査により確定診断に至りますが、中には原因不明な場合もあります。
その子達の一部で、経過観察中に大幅に改善したり、中には全く問題なくなることがあります。


そのようなケースを「benign congenital hypotonia(良性先天性筋緊張低下)」と呼んでいます。



「benign congenital hypotonia」とGoogle Scholarで検索すると、一番目に1987年の論文がひっかかりました。


43人のbenign congenital hypotonia(=BCH)と考えられる子供を3年間フォローしたという内容です。

生後18ヶ月までにこのstudyでBCHと診断されたお子さんに、独立歩行が可能になるまで、理学療法士(PT)や両親が運動療法を行い経過をフォローしました。

43人の内訳は、男児14人、女児29人。筋緊張の低下は35人が軽度、8人が中等度でした。

発達については、寝返りが6.8±2.5ヶ月、座位保持が11.4±2.8ヶ月、立位保持が14.7±3.4ヶ月、歩行が19.5±3ヶ月でできるようになりました。

3才になるまで完全にフォローできたのは36人で、うち19人は何の神経症状も残りませんでした。7人(19.4%)に筋緊張低下が、11人(30.6%)に歩行の不安定さが、4人(11.1%)に言葉の遅れが認められました。
また、13人に兄弟、5人に両親のどちらかに発達の遅れを認めました。
(A.Shuper et al. Benign congenital hypotonia. Eur J Pediatr 1987;146:360)

・・・最近の文献をあさる元気がなかったので、これ一つにしておきます(>_<)






その時の先生は、

「左利きみたいだし、将来よい外科医になるかもね~」

なんておっしゃってくださったので、私はすっかり安心していました。

注) あくまでその時の判断なので、その先生の事を悪く思っている訳では決してないです!




あとから考えれば、

発達の遅れと軽度の筋緊張低下

は、3番目に出てきたアンジェルマン症候群の症状だったんですね。