セカンドオピニオン、よく聞く言葉になってきましたよね
でも、時々使い方を間違っている方もいるようです
今回は、どういう時に利用するのか、どういう先生に意見を求めるべきか、意見を聞いた後どうするのがいいのか、そこら辺のコツみたいなことをお話ししてみようと思います
◆ まずどんな時に利用するものなのか
それは、主治医の治療方針が自分の思いと違っていたりして、これでいいのかな~、と思った時や主治医の方針はわかるけど、もっと最適の方法はないのかしら、と思った時、または一人だけでなく他の先生の意見も参考にして決定したい、と思った時などです
だから、初期治療の始まるときや、治療方針が変更になるとき、もう治療はないと言われた時など、タイミングとしては様々です。
◆ どんな先生に聞くのがいいのか
これはとにかく、たくさんの治療経験のある、選択肢の豊富な先生に限ります。いわゆる、その道のオピニオンリーダーですね
とても有名な先生でも、何か特殊な治療法ばかりをやってる専門家とかだと、公平な目ではなくその特殊な治療法を勧められる可能性が高いかもしれません。
だから、偏りなく、最新最善の治療法を追及していて、とにかく治療経験の豊富な先生を選びましょう
ここで、よく勘違いされがちなのが、『この先生の治療を受けたいからセカンドオピニオンを申し込みたい』 という方が多いことです。
セカンドオピニオンというのは、治療をお願いする行為ではなく、現行の治療方針を客観的な第3者的な目で評価し、その妥当性やその他の選択肢などについて、セカンドオピニオンの先生の評価や、意見などを求める行為なのです
ですから、セカンドオピニオンでは、主治医から提出された診療情報提供書に基いて、さらに患者さんの思いや詳しい状況などをヒヤリングして最終的な意見はしてもらえるものの、身体診察をしたり追加検査をしたり、などと言ったことはできないことになっています。
また、完全に自費診療ですから、病院によっては30分~1時間あたりいくら、というようにかなりの高額な料金が設定されていることが多いことも知っておくといいでしょう
ですから、せっかくそれだけの料金を払うのであれば、それに見合った先生を選ぶといいと思います
◆ 話をきいた後はどうしよう
まずは、主治医の提示している治療と、セカンドオピニオンでの回答をしっかりと検討しなおしてください。
主治医の方針を評価する意見であれば、より一層自信をもってその治療に臨まれるのがいいでしょう
では違った場合は??
その時は、自分にとってはどちらがいいのかをよく考えてください。
科学的な治療成績の面ではこちらがいい、という治療法でも、あなたにとってそれが最適かどうかはあなた自身が決めることだと思います。
そして、セカンドオピニオンの回答は主治医にも返送されているはずですので、最終的にあなたの希望する治療法を主治医の先生にしっかりと伝え、その上で決定すればよいと思います
もしも主治医の先生がその選択に納得してくれず、例えばセカンドオピニオンを受けた先生のところで治療を受けたいと思った時には、改めて主治医にその旨手紙を書いてもらい、治療をお願いする受診をしなくてはいけません。そこからは保険診療です。
しかし、ここで知っておいてほしいことは、高名で治療成績も豊富な先生のところに転医したからと言って、必ずしもその先生が主治医になるとは限りませんし、幸い主治医になったとしても、そういう先生は教育や研究で年間のかなりの日数を全国、全世界飛び回っていたりされるので、毎回その先生の診察とは限らないでしょう。
それでも、治療方針はチームで共有され、臨んだ治療が受けられると思いますので、その辺りを理解した上での転医をお勧めいたします
さらにお伝えしておくと、あなたにとっての名医は、世間的に高名な先生かどうかではなく、じっくりとあなたの話をきいてくれてあなたの気持ちや望みに寄り添ってくれる先生かもしれません
最良の治療の根底には、医師患者間の信頼関係が不可欠であることをどうかお忘れにならないでくださいね
あなたにとって、どんな時も最良の方法が見つかることを願っています