先日、患者さんから、お知り合いの乳がん手術後の方のお悩みをお聞きしました...
その方は、一番下の子がまだ幼児のママさんで、乳がんに対して乳房切除手術をされたそうです
乳房切除とは、がんを含めた乳房ごと切除する手術で、腫瘍を取り切るためにはきれいに乳房を残せない場合や、腫瘍が乳首に近い場合に選択される術式です。がんの段階が早期か進行しているかで決まるわけではありません。
そのお母さんは、ご自身の病気も乳房切除という選択も受け入れることができていて、お子さんとも一緒にお風呂に入ったりされておられたそうです 素敵なママさんです
ですが、その幼児の男の子は、「ママは病気でおっぱいを取ったけど、とかげのしっぽのようにまたはえてくるんだ」と思い込んでいたそうなのです。。。
だから、「また、ママのおっぱいが生えてきますように」と、神様にお願いをしていました
子どもの考えることって、本当に思いもよらず、とってもかわいいですよね
ですが、その男の子、ある時お姉ちゃんたちとの会話から「ママのおっぱいはもう生えてこないんだ」ってことを知ってしまいます
そして、その小さな胸に大きな悲しみを抱えてしまったようなのです
きっと、「また生えてくるから大丈夫だもん」って、自分を納得させて頑張ってたのかもしれませんね
お母さんも、お子さんを傷つけてしまったこと、どんなに辛いかわかりません...
そんなときは、なぜお母さんが胸をなくしてしまったのか、お子さんにわかることばでゆっくりお話ししてあげてください。
「お母さんもね、おっぱいがなくなってしまったこと、とっても悲しいんだよ... でもね、病気を退治してずっとあなたのそばにいたかったから、残念だけどおっぱいとはバイバイしたんだよ」
って抱きしめてあげてください
「なくなったおっぱいがママを守ってくれたんだよ」って、一緒になくなったおっぱいに「ありがとう」をいう時間を作ってください
また、これはテクニック的なことになりますが、おっぱいがなくなった平な胸にお子さんが安心する絵をかいてあげてください こどもって不思議なもので、おっぱいと思っていたものが、違うものに見えたら、「あれ?ここって何があったっけな??」って忘れられることがあります
私も断乳の時にやっていた桶谷式の断乳法で、おっぱいにアンパンマンを描く方法があります
子どもはおっぱいおっぱい、とやってくるのですが、胸におっぱいではなくアンパンマンがいるのを見て、あれ?おかしいな??なんだったかな...??
と服をおろして去っていきます( *´艸`)
私の場合、2週間アンパンマンを描き続けましたが、その間に子どものおっぱい依存症が緩和され、次に何も書いていない胸をみてもほしがらなくなっていました
また、乳房再建術という胸のふくらみを取り戻す手術がありますが、治療の段階や時期によってはまだそれができないこともあります...
そんなときに、ちょっと高いけどおすすめなのが人工乳房です
乳房再建手術(保険適用)をするには一時的な身体への負担や入院、その後のケアなどが必要ですが、人工乳房は最初にお金こそ少しかかりますが、カラダへの負担や入院、日常的なケアなどの心配が一切ありません
完成度の高い人工乳房を望まれる方は残っている胸に合わせてオーダーメイドで作ってもうこともでき、パッと見、手術したなんてわからない場合もあります
最近は以前流行ったヌーブラのように、人工乳房自体が肌にピターっと貼りつくタイプのものもありますhttp://www.naturalbreast.co.jp/photo.html ので、スポーツや温泉などの時も安心です。
お子さんの受け入れができるまでは、こういう形で心を守ってあげるのも手かもしれませんね
あなたとお子さんの笑顔の時間が続きますように...