今回のお話し会http://ameblo.jp/mama-sasaetai/entry-12217314079.htmlに、手術前、という方がいらっしゃいました。。。
どんな手術をされるのか、詳しくはお聞きしませんでしたが、その方が手術までに過ごす辛い日々を少しでも”大切な”日々として過ごしていただけますよう、取り急ぎ書いてみます。
乳がんの手術には大きく分けて2つの目的があります。
一つは、完治を目指してがんを取り切るための手術①。
もう一つは、がんは他の場所にも転移していてカラダからすべて取り除くことができないけれど、胸のところで広がりすぎて出血や痛みを伴うのでその苦痛を取り除くための手術②。
一つ目の完治を目指してがんを取り切る手術①には乳房部分切除(乳房温存術)といって、がんを含む乳房の一部を切除し、胸のふくらみをできるだけ自然な形で作り直す手術①-1と、
乳房切除術(乳房全摘術)といって、乳房そのものごとがんを取り除き、跡には乳首のない平らな胸に斜めの大きな傷が残る手術①-2です。(この手術の場合、同時または跡から乳房のふくらみを作り直す乳房再建術というのが可能です。)
この乳房切除術①-2や、緩和のための手術②では胸を丸ごと失うことになりますので、女性としてその喪失感は術前、術直後、そしていつまでたっても計り知れません
だからこそ、、、手術の前の、まだ胸のある最後の日々を少しでも慈しんで過ごしてほしいのです
その胸は、あなたが女であり、母であることを可能にしてくれた胸でした...。
その胸はあなたにコンプレックスや自尊心や、いろんな感情を育ててくれた胸でした...。
その胸は、あなたが生きるために、身代わりになろうとしてくれる胸...なのです...。
その胸がなくなることは本当に悲しいことです...。それは間違いありません。。。
ですが、、、胸がなくなることを嘆き悲しむ時間を、胸にたくさんありがとうをいう時間にしてみてください...
お別れまでの時間に、悔いのないように、たくさんたくさん、「ありがとう」と言ってあげてください。
胸がなくなってしまった姿をみて、ショックを受けそうな小さなお子さんがいるお母さんは、お子さんにもちゃんとお別れをさせてあげてくださいね。。。
「大切な大切なおっぱいだけどね... おっぱいの病気になってしまったからね、ママもっともっと生きていたいから、おっぱいバイバイするね...」って見通しを伝えてあげてください。
小学校低学年の女の子くらいまでは、まだお母さんのおっぱいに安心感を感じていることがあります。
もう大きいから大丈夫だろう、小学生にもなった子におっぱい触らせるなんて恥ずかしい...ではなく、一緒にお風呂に入ったときなど、不安そうにしていたらしっかり触らせてあげてください。
そして、一緒に「ありがとう」 「バイバイね」と落ち着くまでお別れをさせてあげてください。
これは、授乳中のお子さんに卒乳もしくは断乳する場合も同じです。
ある日突然、心のよりどころにしていたおっぱいをもらえなくなったら...子供にとってそのショックたるや絶望に近いものがあります。。だからこそ、1か月前くらい前から、カレンダーをさしながら、この日になったらおっぱいバイバイね、と毎日見通しを伝えてあげるのです。
そして、その日が来たら、最後にいっぱい飲ませてあげて、これでおしまいね と、すっきり卒乳させてあげるのです。
手術前のあなたも、自分にこれくらい納得できるお別れさせてあげて下さい。
そしたら、失意の中で手術に臨むのではなく、覚悟をもって望める気がするのです...
もちろん、手術後の喪失感がなくなるわけではありません。。。
でも、しっかりお礼をして、しっかりお別れができていれば、そこに残る未練も少しは軽くなるのではないかと思っています。。。
そして、生きるために、身代わりになってくれたあなたの大切な胸のためにも、次の治療に臨む覚悟が湧き上がってくることを祈ります